私と日本〈74〉
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東京歯科大学研究員 歯学博士
黄 怡さん
帰国者や在日中国人の歯を治療したい |
いずれ中国で、最新の研究を歯科医に紹介する講師になりたい、と語る黄怡さん。
四川省出身。中国の歯科大学を卒業し、さらに新しい技術を求め、1999年日本に留学しました。今年で在日12年目。現在は二児の子育てのため、パートタイムの研究員。「研究が好き、新しいものが常にある」と今の仕事について語ります。
両親とも研究者で、日本と縁がありました。父は研究で日本に3年間留学し、その後も父の日本の友人から、美しい年賀状が毎年届きました。子どもだった黄さんにとって、美しくて、かわいいものがある国、というのが日本の最初の印象。また母は大連出身で、小学低学年まで日本語で勉強しました。
今度の大震災では、日本人が大きな災害でも冷静なこと、幼稚園はじめ建物が丈夫なこと、そして日本での暮らしの安全さを感じたそうです。
「なにより近所の人たちが声をかけてくれて親切。日本で子育てしたい」と語ります。
日本人の夫も歯科の研究者で、近いうち、歯型から遺体の身元確認する活動に参加するため、被災地へ向かうのこと。
今年の1月、都内で帰国者の新春のつどいに参加。帰国者が医療を受けるために言葉の壁があり、「開業医として、帰国者や在日中国人の歯を治療したい」と、日本での夢を語りました。(H)