私と日本〈73〉
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福井大学 中国人留学生学友会 会長
陳 士坤さん
漫画展成功に大きな力 |
「留学前に比べて、日本人と日本に対しての認識は随分変わりました」と日本に留学して2年目になる陳士坤さん(26歳)。出身は湖北省。
大学やアルバイト先でみる日本人は、積極的にルールを守り、仕事に一生懸命な姿が印象的で、いろいろ教わった。
なかでも、陳さんの先生、福井大学の副学長である桜井康弘教授は、「毎日深夜1時まで研究室にいらっしゃって、翌日は時間通りの9時にはすでに研究室におられます。さらに、週末も私たちの研究を指導するために研究室によく見えます」と、陳さんの日本人観に大きな影響を与えている。
陳さんは、10月に福井で行われ、1万2000人近くが観賞した漫画展の展示・受付スタッフとして参加。留学生の仲間とともに福井支部を手伝った。
日本に来た08年から、協会福井支部の活動に参加。会員たちと福井の名所を訪ねたり、日本語を毎週教わったり。会員たちの公平無私の行動に感動しているそうだ。
来春1月30日には、「春節祝賀日中友好交流会」を計画。福井支部が主催し、陳さんが会長を務める福井大学中国人留学生学友会が協賛になっている。「中国人にとって一番大切である春節のとき、(協会福井支部は)パーティーを開いてくれます」。陳さんの出会った日本人は皆、中国人に優しいと言う。
日中関係について、「私たち国民が決められないことがあるかもしれませんが、両国の対立や戦争などは、絶対に反対。卒業後は、日中の交流活動に参加して、お互いの理解が深まるよう少しでも手助けしたいと思います」。(東野)