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私と日本〈65〉

黄 淑柔さん写真

四川大地震の記録映画「風を感じて」の制作プロデューサー
黄 淑柔さん

 

心の交流の温かさを感じて欲しい

 映画「風を感じて」の制作を決心したのは、去年の夏。オリンピック前の北京を紹介するテレビ番組制作の件で中国大使館を訪問した際、ある参事官から、洞爺湖サミットで来日した胡錦涛主席が日本の救援隊や医療隊を招き、記念品を贈呈していたことを聞きました。
 「まったく知らなかった」という驚きと同時に、「なぜ日本のマスコミは報道しないのだろうか」と疑問が湧いたと言います。
 さらに四川大地震発生当時、中国人留学生の街頭募金活動で、一千数百万円が集まった話を聞き感動。帰宅するころには「日中友好の心の絆を撮りたい。映画を作らなきゃ」という気持ちになっていました。
 今年3月上旬に訪中、わずか1週間で撮影しました。撮影班を2つに分け、朝3、4時から午前1時まで被災地をまわり、人びとの様子、声を記録しました。
 「現地の人たちは日本から来たと言うだけで大歓迎。日本の救援隊たちのおかげで心象がよく、心が通える撮影ができた」と当時を振り返ります。
 帰国後、1ヶ月弱で編集、5月25日に東京都内で完成試写会を開きました。約300人が来場し、「良かった」との感想が寄せられました。
 見どころは「助けたい」という思いが国家の枠組を越え、被災地で芽生えていく日中両国民の心の交流。今後の支援は、四川の子どもたちのメンタルケアが必要と訴えます。
 「とくに若い人たちに観てもらいたい。全国で『風を感じて』の上映会ができれば…」映画の収益は被災地へ。
 現在は全国上映の普及と、続編「風を感じてパート2」の制作を準備中。
 「日本と中国の良いところも悪いところも分かる自分だから…。中国の良い部分を引き出して日本に届けたい。」日本生まれの華僑2世(押)

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