私と日本〈63〉
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立教大学大学院をこの春卒業した
姚 君さん
宝物は日本人の友だち |
姚さんは今年3月、立教大学大学院の経済学部研究科(前期課程)を卒業したばかり。5月末に中国へ帰国するための準備で大忙しです。
5年間の留学生活を終え、「当初はホームシックにかかり、中国に帰る日々を心待ちにしていたのに帰国直前の今、日本を離れるのが寂しくなってきた」と振り返ります。
日本語に興味をもったのは中学生のころ。日本のドラマ「東京ラブストーリー」を見て「いつか話せるようになったら良いな」と漠然と思うように。
02年9月、天津外国語学院日本語学科へ。入学してみると多くの同級生は平仮名もカタカナも完璧。姚さんは毎日の授業で当てられるのが怖かったといいます。
転機は初めての中間テスト。がむしゃらに勉強した結果、好成績をあげ「努力すればなんとかなる」と自信をつけました。
2年後、同学院の提携校の静岡県富士常葉大学総合経済学部3年に編入。来日初日に本物の富士山を見て「日本に来た」ことを実感しました。
07年4月からは立教大学大学院の経済学部研究科に入学。日本の自動車産業、特に中国天津にあるトヨタ自動車について研究、論文にまとめました。
学業のかたわら、東京・荒川支部の新春のつどいや映画鑑賞会、さくらんぼ狩りなどに参加。「お互いに知り合えば友好になれる」というのが持論に。「日本人とか中国人とか関係なく付き合える日本人の友だちは私の宝物」と語ります。
帰国後は、中国山東省の役所で外資企業誘致などの仕事に従事する予定。1983年生まれ、山東省日照市出身。(押)