私と日本〈61〉
|
「留学体験生かそう」と呼びかける 四川同郷会理事
代 建明さん
文化の違い理解し誤解減らす努力を |
1978年と1991年の2回日本に留学し、1998年日本で就職した。自らの留学体験を通じて、日中間の文化の共通性と違いがよく分かるようになった。
靖国・餃子・チベットなど日中間で問題が発生するたびに国民間の感情がゆれ動き、日中友好の気運が浮沈する。いま日本国民の中国好感度は31%と低下している。
「お互いの文化の違いをよく理解することが誤解を減らすことになります」「誤解を解くうえで、双方の留学体験を持つ人の役割は大きいと思います」と口調を強める。留学生紹介、斡旋を主とするいまの仕事を選んだのも、これが動機である。
中国には1908の大学がある。日本人の留学生総数は19,000人にのぼる。自分がお世話した日本人留学生は400人を超える。なかには、在重慶日本総領事館で働いている人もいる。
日本からの若い留学生の多くは、“アジアの時代”を敏感につかみ仕事に生かそうと考えている。退職後、「漢文・漢詩の国で暮らしてみたい」と留学する人も少なくない。
四川省の出身。四川大地震では、「四川同郷会」理事として、チャリティーなど支援活動にいち早く取り組んだ。「日本からの支援は中国人の対日観を好転させました」と感謝の意を表した。
「世界的経済不況で、留学生も減少気味ですが、将来必ず増えると思います」と明るい顔で話してくれた。(お)
日中文化交流社に勤務。TEL:03-5685-4950 FAX:03-5685-4953