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[協会声明]
ロシアのウクライナ侵略に対する協会声明

 日本中国友好協会は2月、ロシア・プーチン政権によるウクライナ侵略を断じて許さず、紛争を平和的手段で解決し、武力に訴えないことを強く求める理事長談話を発表しました。その後も、国際社会からロシアの暴挙を強く批判し、停戦を求める声が巻き起こっているにもかかわらず、侵略は続き、ウクライナの多くの市民が犠牲になっています。
 さらに、国連総会の緊急特別会合で141カ国が賛成したロシア非難決議に対して中国やインドなどが棄権したことに対しても批判が強まり、とくにロシアとの関係が緊密とされる中国については、ロシアを支援するのではないかとの疑念の声さえ広がっています。
 しかし中国は、ロシアによる侵略が始まった当日に中国外交部の報道局長が「ロシアに武器供与はしない」と明言。李克強首相は3月開催の全人代政府活動報告や同記者会見で、「国際社会と共に、世界平和と安定、発展、繁栄のために、新たにさらに大きな貢献をしたい」、「平和の回復のために積極的な役割を果たしたい」と繰り返し述べ、「ロシアとウクライナが停戦協議を進めて平和的結果を出すことを支持する」と表明しました。
 さらに、中国共産党創立100周年の歴史的な節目に当たって発表された「歴史決議」では、「わが国は国連を核心とする国際システムや、国際法を基礎とする国際秩序、国連憲章の主旨・原則を基礎とする国際関係の基本準則を守り、一国主義や保護主義、覇権主義、強権政治に断固として反対し、世界が注目する国際的課題と地域的課題の政治的解決に建設的に参加し、積極的な役割を果たす」と、国連憲章と国際法を守って世界的な課題に積極的な役割を果たすという立場が明記されています。
 国際社会は、この確固とした立場を表明している中国が一刻も早い停戦実現のために行動することを強く期待しています。
 日本中国友好協会は、戦争で犠牲を強いられるのは常に罪のない市民であることに加えて、日本軍国主義が推し進めた中国侵略戦争の戦場で日本軍の兵士たちが加害に走る鬼と化した歴史事実をふまえ、戦争は多くの兵士の人間性を奪ってしまうことを訴え続けてきました。そして、この日本の侵略戦争の最大の犠牲者であり、どの国よりもその悲惨さを知る中国は、戦争の非人道性を訴え続け、反戦平和の思いを語り継いでいます。
 日本中国友好協会は戦争の過ちを二度と繰り返さないことを誓う不再戦平和の立場から、ロシアがいかなる理由によるものであれ、ウクライナの無辜の市民を殺傷する戦争犯罪は決して許されず、ウクライナへの侵略を直ちに止めることを強く求めるものです。
 また、いかなる国に対しても戦争を繰り返してはならないことを心から訴えます。そして、侵略戦争の加害と被害の大きな立場の違いを超えて、武力の行使を許さず紛争を平和的な話し合いで解決することを共に誓い、核兵器廃絶をめざすとしている日本と中国の両政府が、市民の犠牲をこれ以上広げないために、戦争という蛮行を一刻も早く止めることをロシア・プーチン政権に強く働きかけることを求めるものです。

2022年4月8日
 日本中国友好協会(会長 井上久士)




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