私と日本〈122〉
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福州大学外国語学院講師
葛 茜(かつ あかね) さん
日中文化交流に意欲
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なめらかな日本語を聞いていると、ふと日本人かなと思いそうになる。
その華奢な身体に似ず、パワフルな二児の母親でもある。
湖南省出身で、福州大学外国語学院講師。昨年9月から、博報堂のスカラーシップを得て1年間京都大学大学院で研修中。
95年の千葉大、02年からの早稲田大(博士号取得)と合わせ、計12年の日本滞在で、そのほとんどが子ども同伴。今2人は日本の小学校に通い、日本語も特訓中で、本当にたくましい。
夫君も北海道大学農学部卒で、中国野菜を扱う日本の中国法人社長。福州出身の呉清源に因む名を子どもにつけるなど、囲碁は相当の実力。
日本の食べ物をはじめ、陶器なども愛用し、日本文化への関心と評価が高い。今は街の佇(たたず)まいなどが気に入って、京都生活を楽しんでいる。
美人で明るく、人付き合いが良く、面倒見がいい、などで学生に圧倒的人気がある。落ち着いた人柄ながら、思考も行動もポジティブで活動的。
日本語教育者として、中国の大学教育にどこで貢献できるのかが自身の最大のテーマ。「自由の学風は京大の憲法」という掲示には心を打たれたという。
両国の友好・平和につながる知日人材の育成のため意欲的に研究・研鑽を重ねている。
同志社大学横井ゼミ、京都教育大学、京都府連の学習会で講演するなど協会の催しにも気軽に協力していただいている。中国における日本の地位低下も心から心配してくれる友人であり、日中文化交流へのますますのご尽力をと思っています。
(井手淑子)