私と日本〈112〉
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東京成徳大学教授
周 建中さん
「語学は絆を強くする」を 日々実践
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昨年来、日中友好協会は周建中先生に大変励まされている。全国の大学に先駆け東京成徳大学では、同校の制度である「資格等取得奨励賞」に、中国百科検定を加えた。2級取得の学生さんに1万円の図書カードが支給される。
周先生に謝意を伝えると、謙虚な返事が返ってきた。「学生には語学だけでなく幅広い中国理解が求められる。そのために有意義と思ったものですから」。
「中国百科検定」が縁結びとなり、昨年11月から今年5月まで、千葉・東葛飾支部主催「中国の環境問題と対策連続講座」の講師を務め、日中友好新聞に「中国の環境問題を考える」4回シリーズを執筆いただいたことは記憶に新しい。
1954年、寧夏回族自治区銀川市生まれ。77年、大連外国語大学日本語学部卒。
経済的に発展する日本の情報や映画などを通じ、興味をもったのが日本語とのかかわりで、以来40年以上、語学教育を通じ日本との絆を深めている。
周先生は、現場第一、行動する学者。学問的には生物環境科学だが、取り組んできたのは中国の砂漠の緑化事業対策、少数民族・チベットの研究、東アジアの地理など。
「今は大学で通訳養成や語学コミュニケーションの授業の毎日ですが、学生には幅広い知識に裏打ちされた文化人をぜひめざしてほしい」と、やさしい眼でほほ笑む。
今後の日中関係の展望については、「肝心なのは大局観。お互いに大変重要なパートナー関係は今後も変わりないし、むしろ深まるでしょう。共通の利益を第一に考え、調査し比較し対話する。この姿勢さえしっかりしていれば前途に悲観は無用と思います」。
(田中)