私と日本〈104〉
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在日中国科学技術者聯盟会長
楊 克倹さん
日中科学技術の交流に貢献
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在日中国科学技術者聯盟(略称ACSEJ)は、中国の元留学生によって1993年に設立された。その会長を2003年から勤めている。日本で学位を取得し日本に滞在し大学や研究所、企業に勤務している人たちが会員である。
その目的は「日本の関連諸団体との交流と会員相互の交流を中心にし、『務實』『架橋』『貢献』をモットーに活動する」こと。
活動の内容は、講演会、懇親会、さまざまなイベント。会員は、IT・バイオ・机械・土木・建築・法律・経営管理など多方面で活躍している。
その専門を生かし、日中法律研究会、机械技術、生物科学及環境協会、電子及計算机應用協会、医学興薬学協会、在日中国科学者材料科学会、日中投資経営サロン、土木建築協会、日本MBA華人協会の分科会があり、100を超す新華僑の日本企業と連携し、その多くは中国に支社をもっている。現在の会員は1600人。
1962年生まれの楊さんは、大連理工大学を出て日本の東北大学で地震工学博士の資格を取得した。現在、設計事務所に勤務し、構造計画研究所を担当している。
これまでに東京新橋の日本テレビ高層ビル設計の耐震解析やレインボーブリッジの耐震補強などを行なったことがある。上海の高層ビル(492㍍)の設計も手がけた。中国と日本を頻繁に行き来する超多忙の毎日である。
日中関係にも触れた。「国家間にはさまざまなトラブルや問題は存在します。しかし科学技術の分野は『科学の目で事実を探求する』ことが共通の課題です。そのための協力や交流は非常にうまくいっているし、国民間には何の問題もありません。さまざまな分野の交流の積み重ねは国家関係にもいずれプラスになると思います」と、明るい表情で話してくれたのが印象的だった。
(宣)