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HOME > 私と日本 > 2014年2月15日号

私と日本〈100〉

 

大連千世隆経貿有限公司


陳 徳江さん

 


安全な大豆食品を日本へ届けたい

 陳徳江氏は1962年生まれでハルビン出身。名門の黒龍江大学日本語科を卒業し、国営貿易会社の黒龍江支社に就職。

 主に大豆はじめ中国産穀物の対日輸出を担当し、商談を通じて多くの日本商社や問屋・加工食品メーカー・検査機関等との人脈を築いた。2000年に独立。

 現在は、大連千世隆経貿有限公司の理事長として主に黒龍江省産有機大豆の輸出業務で活躍している。

 しかし、陳さんの本領は、むしろ勤勉で知識欲旺盛な学者肌にある。有機大豆の栽培・管理に黙々と取り組む地元農民への愛情。味噌・納豆・醤油・豆乳・納豆など日本の伝統的大豆加工食品や、複雑だが洗練された日本独特の流通システムへの尊敬の念。これら二つの思いが融合し、日本の大学での研究を決意。

 「本社は大連。大学は東京。この往復・両立は可能かと結構迷いはありましたが、妻も社員も猪突猛進の性格を知っていて半ばあきらめたようです」と、陳さんは笑いながら当時を回想。

 入学した日本大学生物資源科学課程では担当教官が親身になって指導。「中国黒龍江省国営農場の研究」という論文で、2012年3月に見事、博士号を取得した。今は社業の傍ら、日本語を学ぶ母校の後輩を客員教授として指導している。

 陳さんのお嬢さんは日本の大学院に留学中だが、韓国語にも堪能。高校同窓の夫人は国語(中国語)教師としてハルビンで教鞭を取っている。

 「語学は大切ですね。言葉を生かせば政治の壁を越え、経済・文化で交流し、国民相互の理解も深まるはず。わが家ではそんな思いは一緒で結束が固いですよ」と、大連単身赴任も寂しくない様子なのはうらやましい。

(田中清咊)



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