私と日本〈98〉
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日本鍼灸三通法研究会会長
賀 偉さん
鍼灸治療を通じ日中交流
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東京都内の「精誠堂鍼灸治療院」でお会いしたご本人は至って気さく｡本来は難解･高遠なはずの｢鍼の医学｣につき素人の取材者にも分かりやすく解説のうえ、清潔感ありリラックスできそうな治療室をご案内いただいた。
鍼灸三通法とは「微痛法」「温痛法」「強痛法」を組み合わせた鍼灸治療法。治療理念は「医徳・医術・医功の三位一体」であり、それにもとづき患者の治療に当たる。人気ドラマ「ドクターＸ」ばりの〝神の手〟で鍼灸治療を施すに当たり「四診」すなわち〝望診〟〝聞診〟〝問診〟〝切診〟で患者の顔色・全身を観察、患部を見抜き、根本的な体質改善を行う。そこには西洋医学と異なり薬に頼らぬ鍼灸治療への信頼が根底にあるらしい。
１９６１年北京生まれ。鍼灸医として中国初の人間国宝となった父、賀普氏に幼い頃から師事し鍼灸を極める。北京中医学院（現・北京中医薬大学）卒業後､1989年来日｡東京医科歯科大学大学院漢方薬専攻、早稲田医療専門学校卒業。
賀偉先生の日中友好交流は、あくまで〝一人でも多くの患者の病を治す治療行為〟を通じて実践されるもの。２０１１年６月には福島市の避難所で大勢の方に鍼灸治療を行うなど、ボランティア活動にも熱心に取り組んでいる。
「日中友好活動に勤しむ皆さん、本当にお疲れ様です。でも無理をしてはいけません。バリバリ働いているように見える人でも集中力は長続きしません。自分で落ち込まずに決してあせらず、いたわりながら『力』の回復を待ちましょう」
このメッセージに癒される方も多いのではないだろうか。
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（田中清咊）
