私と日本〈92〉
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東京医科歯科大学学友会会長
呉 松涛さん
中日の大学結ぶ橋として |
2011年、文部科学省の奨学金を受け、東京医科歯科大学に留学。歯科の博士課程2年生として学んでいる。昨年、留学生団体の東京医科歯科大学学友会会長に選ばれた。同大学には、中国人留学生92人が学んでいる。
学友会の目的は、大学側に中国事情をアドバイスする、中国の大学との交流を支援する、日本の学生に、中国語を学ぶ場所を提供し、中国語能力試験(HSK)の受験をサポートする――などである。中国大使館との連携強化にも努力している。
専攻は歯科。河(鴨緑江)の向こうに北朝鮮が望める故郷の遼寧省丹東市を含め、中国の地方都市には歯科医が少ない。一部農村では歯痛を訴えると、小さい衛生所は「ほとんどが抜歯」だそうだ。
「日本では80歳でも20本の歯を残す」と言われているが、中国では程遠い。歯科を専攻した大きな理由でもある。中国にはまだまだ普及していないインプラントの勉強にいま力を入れている。
日中友好協会東京都連が江東区で開いたイベントに初めて参加し、協会との接点ができ、今年の「都連新春の集い」にも仲間と参加した。「いい雰囲気でしたね。皆さん気持ちが温かい」と感動することしきり。
190㌢の長身。「卒業したら、友人と日本で開業し、将来中国の大学病院で働きたい」と大きな夢を語ってくれた。(宣)