私と日本〈89〉
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北海道大学 大学院生
賈 玉龍さん
平和学の授業で「紫金草合唱団」に出合って |
ハルビン出身の賈玉龍君は、西安の大学で日本語を勉強していた時、激しい反日デモに遭いました。日中関係に関心をもつようになり、インターネットで平和学を模索している北海道大学の小田博志先生を探し当てて日本にやって来ました。
文化人類学を選択し大学院文学研究科に入学。小田先生や研究室の先生方や先輩たちは優しく、中国で思っていた日本人像とは違っていました。
2012年の冬、札幌で文化人類学「人類と平和」という授業で「紫金草合唱団の授業内での演奏公演」に大きく心を動かされました。
演奏終了後も熱心に会場から質問をしたり、市民向けのコンサートにも参加して、真剣に日中友好と平和を願う市民がいることに感動したそうです。
その後「市民による平和構築」という研究テーマと結びつけて合唱団の活動の研究を始めました。南京への「紫金草合唱団」や撫順戦犯管理所への「再生の大地合唱団」の訪中公演のほかに、ボランティアで通訳や活動に参加しました。
その後も何度か上京して合唱団を訪ね、これまでの取り組みや団員のヒューマンヒストリーの取材を重ねました。
市民の平和活動の素晴らしさと大切さを実感したといいます。
先日、修士論文を発表し、今後も日中関係をつなぐ役目を果そうと決心しています。来年3月の卒業後は帰国し、中国社会科学院の博士課程に進学を希望。きっと日中友好の若い力として頑張るのではないかと期待しています。
とても心配りのある優しい青年で、料理も得意です。
(大門高子)