私と日本〈87〉
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中国科学院
科学旅行社副総裁
袁 守義さん
家族そろって日本と絆 |
袁さんは、中国の大学で薬用植物を専攻。薬用植物の研究は日本が一番進んでいることを知り、日本への留学を決意します。これが袁さんと日本の関係の始まりでした。1986年から日本語の勉強を始め、念願かなって1990年10月から2年間、中国の国費留学生として長崎大学薬学部で勉強しました。
袁さんが語る「私と日本」を紹介します。
長崎大学では、学問の面でも人間的にも尊敬できる大橋裕先生に出会い、公私にわたり大変お世話になりました。来日した日に布団などを用意してくださり、以後も日常生活で不便してないかと、事あるごとに声をかけてもらいました。先生は、私たち留学生が安心して日本で勉強できるように気を使ってくださいました。
先生はじめ多くの日本人の優しさに接し、日中友好の絆を強めることの大切さを痛感しました。
帰国後、中国科学院の旅行社で仕事をすることになり、大橋先生の研究のお手伝いも兼ね、大橋グループ中国旅行会のお世話をするようになりました。雲南省シーサンバンナ熱帯植物園、西安植物園、中国医学科学院北京薬用植物園、内モンゴル大学薬物園や成都生薬市場などの見学をはじめ、毎年中国旅行会の案内役を務めています。
私の息子も北京理工大学卒業後、九州大学大学院に留学し、今は、弁理士として日本の会社の中国での特許申請を代行しています。息子のお嫁さんも同志社大学で修士号を取り、現在は三菱東京UFJ銀行の北京事務所で働いています。「私と日本」の関係は「私の家族と日本」という深い絆になりました。北京在住。陝西省西安出身。1953年生まれ。
(田中 實)