私と日本〈86〉
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中国の若い世代教育に情熱
趙 詩蔓さん
〝平和に努力する日本人の姿〟伝えたい |
開口一番「日本に来るまでの私と同じように、日本人全体を侵略者の概念で見ている中国人は圧倒的に多い。2002年、撫順の奇跡を受け継ぐ会や日中友好協会の方々と出会い、08年に来日。去年の反日デモからいろいろと感じるところもあり、日中友好のために尽力することを決意しました。撫順戦犯管理所の役割や、日中友好の大切さを知るのに10年もかかりました」と一気に話す。
それほど、中国侵略戦争問題を真剣に考え、中国人との友好連帯のために活動している日本の人たちとの出会いの衝撃は大きかった。
ご主人の経営する中華料理店(千葉市美浜区・美勝園)の手伝いをしながら来春の千葉大学教育学部の大学院入学をめざしている。
「目的は」と聞くと「中国で教師になり、奇跡を受け継ぐ会や日中友好協会の人のように中国との不再戦平和のため活動する日本人の運動や姿を中国の若い世代に教えたいのです」とキッパリ。その信念と気迫に圧倒された。
「受け継ぐ会、弁護団、日中友好協会の方々の基本的な考えは、日本の中国侵略戦争の誤りを正しく認識し、その上に立った友好的な考えをもっておられます。こうした考えの日本人が増えれば友好の基礎が大きく確実に築かれると思います。
同じように中国人も、戦争への恨みだけでなくそれを乗り越えた友好連帯の考えをもつ人が増えれば尖閣諸島(中国名・釣魚島)のような対立は起きないだろうと思います」
そのうえで、「こうしたレベルの市民運動の交流への努力こそ真の日中友好めざす姿だと思います」と、締めくくった。