私と日本〈80〉
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琵琶奏者
鮑 捷さん
琵琶奏者で日中友好の心通わせたい |
6月の日中友好協会第61回大会祝賀会で琵琶を演奏、奥深い音色で参加者を魅了しました。
中国天津生まれ。活発で歌や音楽好きの鮑さんが琵琶と出合ったのは8歳のとき。「琵琶を弾く姿が女性っぽいイメージだったから」。
天津音楽大学付属中学校の入試では琵琶の専攻でたった1人の国費学生として合格。中学から大学まで本格的に英才教育を受けました。鮑さんは「運が良かった」と笑います。
天津音楽大学琵琶専攻を卒業後、音楽サークル「天津大学北洋芸術団」の琵琶講師として活躍。
2002年に「発展している日本に行って試してみたい。中国琵琶を広めたい」との思いから来日。日中学院で2年間日本語を学びます。
家族と離れ、友人もほとんどいない孤独感。切り詰めた生活を続けた結果、悪性リンパ腫を患い入院、手術することに。同学院の先生からの手紙や日本の友人たちの励ましに支えられ闘病生活を送った鮑さんは確信しました。「国籍が違っても心は通じる」と。
04年、東京学芸大学に入学。その後も同大学院で芸術教育を修め07年に卒業、日本各地でコンサートを催すなど積極的に演奏活動を広げていきました。
10年にはアルバム「変わるもの変わらないもの」を発売。さらに今年8月12日にはフラメンコギター、クラシックギター、琵琶のトリオ「Gran Paose」として、東京都内の近江楽堂でコンサートを開催します。
「日本の方々は琵琶に暗い琵琶法師のイメージがあるようですが、現代の中国琵琶は音域が広くなったため、その表現力の幅も広がり、いろいろな曲が弾けるようになりました。中国琵琶の魅力をさらに広め、もっと多くの人たちに聞いて欲しい」と意気込みを語ります。
チケット・CD・演奏依頼の問い合わせ=baojie7711@yahoo.co.jp(@は小文字)(押)