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HOME > 私と中国 > 2018年5月5日号
私と中国(977)
劇団道化
野村 勇作さん

中国語を
舞台に生かす
 2018年2月。神戸、東京で2週間の公演でやって来た北京の中国国立児童芸術劇院の日本公演の舞台監督と通訳でフル稼働。成田空港での見送りを終えると福岡へ。即、俳優へ変身。子どもたちの前で舞台に立つ。
 そんな野村勇作くんことノムくんは、生粋の大阪人。13年春、福岡県太宰府の劇団道化へやって来た。ノムくんは博多弁より北京語の方がうまい。
 ノムくんが中国語に出合うのは、高校2年。「いつか中国語で人を笑わせたい」と、思った。
 その後、大阪外国語大学の中国語科へ進学。そして、中央戯劇学院へ留学中の11年夏。中国国立児童芸術劇院の演出スタッフで、北京に来ていた劇団道化と出合う。そして、演出の通訳で頑張った。
 言葉は今ほど上手でなかったけど、日本人スタッフと中国人俳優の間を、とにかく、全力疾走。こんな時、仲良くなるのも喧嘩になるのも通訳次第。クーラーがガンガン効いた王府井(ワン フー チン)の劇場で、一人、汗びっしょりのノムくん。
 そんな愚直な姿は、中日双方のメンバーから愛された。もちろん、ノムくん初通訳の合作は大好評。
 その後、福岡でノムくん俳優デビュー。そして、北京、上海、広州、重慶、西安、雲南省、台湾と巡演。
 出し物は「三只小猪(3匹のコブタ)」。役は〝大灰狼〟。ノムくんは、客席の子どもたちの中を汗びっしょりで、走り回った。ギターを奏で、子どもたちと掛け合った。子どもたちは、ノムくんの中国語に、椅子から転げ落ちながら、大笑いした。
 汗をかいて、子どもたちを笑わせていくノムくんの仕事は、まだまだ続く。
大阪市出身、1989年生まれ。     (篠崎省吾)