私と中国〈945〉
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沖縄県支部会員
日本国際貿易促進協会職員
泉川 友樹さん
上質な架け橋増やしたい
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日本国際貿易促進協会で中国語を使い日中間の経済協力の促進業務に当たっている。
中国語との出合いは沖縄国際大学の第二外国語。「麻 」(マー〔2声〕・マーマ〔1声〕・マー〔4声〕・マー〔3声〕)のように、音の高さで意味を判別するのが「面白い!」と中国語を猛勉強。
2002年に卒業、その後は1年間、昼は地元市役所で臨時職員、夜は語学センターで学習を続け、公費留学生として北京外国語大学へ。1年間の「同時通訳者養成研修プログラム」を受け帰国、東京の通訳養成学校の研修を経て、06年から日本国際貿易促進協会職員に。
必需品は電子辞書のほか、ぎっしりと書き込まれたメモ帳、スマホで中国の最新情報をさっと呼び出す。また、スマホの録音機能で、自身の発音を吹き込み、チェックを怠らない努力家だ。
これまで温家宝、李克強、習近平各氏のほか、外交部や商務部、省長級との会談通訳も担当。「通訳は話者と一体化し、その人の生き様や考え方を疑似体験できる、違う言語の人びとを結びつける魔法の行為」と語る。
沖縄には「万国津梁(ばんこくしんりょう)」という言葉がある。中国や東南アジアとの交易を通して「人と文化の架け橋」を目指した先人からの熱い志が込められた言葉だ。泉川さんはそれを実践する一人。しかし、「現代版『万国津梁』を実現するには、ほかの国の人びとを理解する『万人津梁』の志で取り組む必要がある」と指摘する。
「いつか中国語通訳の教育を手がけたい。上質な架け橋を増やせたら」と夢は尽きない。
1979年生まれ、沖縄県出身。東京都在住。妻、2人の子どもの4人家族。中国語検定1級、HSK旧11級、中国語通訳案内士を取得。
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