日中友好協会(日本中国友好協会)

日本中国友好協会
〒111-0053
東京都台東区浅草橋
5丁目2-3  鈴和ビル5階
Tel.03-58394-2140
Fax.03-5839-2141

HOME > 私と中国 > 2016年4月25日号

私と中国〈935〉

京都府連会員


山口 良子さん

 


「教え子を再び戦場に送るな」


 山口さんは昨年、京都の「望郷の鐘」上映会のさい、1人で100人もの協力券を普及。一生懸命に取り組んだ思いを、次のように語りました。
 「私はあの映画の舞台の旧満州の首都・新京(今の長春)生まれです。戦後の引き揚げは生後7カ月で、父母の話ですが、新京から無蓋貨車で葫蘆島港に着き、佐世保に上陸した。乾パン15個だけの食事で引揚船の階段を上がるのに目が回ったなどと聞いています」
 山口さんは、昨年5月には生まれ故郷の長春を訪問。それは、「ここ数年で両親を見送り、改めて生まれたところが知りたかったから」です。
 そして「両親の供養にもなると思い、『望郷の鐘』製作と上映に協力しました」と語ります。映画では、開拓農民が置き去りにされた悲劇が描かれていますが、「母も戦争の終わりかけの時に友人の父が軍の幹部だったので、友人に様子を聞きに行くと、その一家はもう逃げていなかったと言っていました」
 今年は引き揚げの地、佐世保も訪れました。山口さんの家族が上陸したであろう桟橋から、引揚援護局のあった地点(現ハウステンボス)まで7㌔をたどりながら考えました。
 「なんのための戦争だったのか、私は教員でしたので『教え子を再び戦場に送るな』の言葉は、いま現実味を帯びて迫っていると感じています。戦時下の日中の歴史、満蒙開拓や棄民と引き揚げの史実をしっかり学び伝えていきたいと思っています」
(桐畑)


[一覧に戻る]

abcd