私と中国〈930〉
|
中国帰国者九州連合会事務局長
川添 緋砂子さん
「祖国は二つ」 友好は生涯の願い
|
川添さん(79歳)は、9歳の時、旧「満州」ハルビンで残留孤児となりますが、中国人の養父に助けられ九死に一生を得ます。養父母の愛情を受け中国語を覚え、師範学校を卒業。小・中・高の教師を務め、47歳で帰国。
日本語を習得し帰国者支援に努め「私の祖国は二つ、戦後70年の今、心から友好を願う」生き方に強い信念をもっています。
今回、「二度と私たちのような犠牲者を出さないように」との思いから、九州各地の帰国者に「私の戦後七十年」を主題にした回憶録を依頼したところ18人の方々が原稿を寄せました。
「戦後七十年回憶録」は昨年9月に出版されましたが、中国語で執筆されていたので、日中友好協会福岡県連合会の中国語を学ぶ協会員に翻訳してもらい、戦後70年の昨年末に日本語版を出版することができました。
帰国者は思い出したくない過去に真摯に向き合い、日本語が話せないために満足な仕事に就けず重労働と低賃金の厳しい生活を余儀なくされてきました。
帰国者の声は、私たちに「戦後七十年」の真実を伝えています。帰国者全員の願いは「再び戦争をしない、日中友好の世論を広げていく」ことです。
私たちの責務として、この「戦後七十年回憶録」広げていきたいと思います。日中友好協会福岡県連で受け付け、1冊1000円+消費税。遠方の方の郵送料は82円です。
川添さんは自分の経験を生かし、ますます日中友好の輪を広げ、これから帰国者二世の生活改善のために頑張っていこうとしています。
(入田)