私と中国〈919〉
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ユーラスツアーズで経理担当
前川 理絵子さん
翻訳通して日中両国の姿実感
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今年の日本ユーラシア協会、日朝協会、日中友好協会東京都連の合同新年会に出席、北中一永都連事務局長に誘われ都連港支部へ入会した。
ロシア、旧ソ連、モンゴル、東欧の専門旅行社ユーラスツアーズで経理業務を担当、中国の連続ドラマの日本語翻訳を請け負うバイタリティーの持ち主。
「週2回徹夜することも。翻訳は労働とは思わない。面白くて勉強感覚」と、さらりと語る。
小・中学生のころ、中国残留孤児の肉親捜しのニュースを見て「『アンネの日記』の中のドイツのような戦争加害者としての歴史」を感じ取った。高校時代では同世代の香港人と英語で文通する際、中国語の併記をお願いした。日本人とは違う中国人の書く、流れるような筆跡に感動し、「絶対、中国語をやる」と心に誓った。
「一生サラリーマン」と決め、高崎経済大学経済学部へ進学、第二外国語は中国語を専攻。卒業後はユーラスツアーズに入社、1997年に退職(13年に再就職)後、上海大学に短期語学留学へ。ドラマの翻訳の仕事はその時に知り合った友人から紹介された。
帰国後15年間は会計事務所に勤務、経理のスキルも上げた。日本語ネイティブの需要が高まり、11年から兼業翻訳者に。「翻訳を通して日中両国の姿がよく見えてくる」と実感。
今では中国の翻訳会社から直接仕事を受け、ホームドラマ、コメディー、恋愛、武侠もののほかに、中国で開発したスマホ用ゲームアプリのセリフなどを手がける。
「最近は同性愛のドラマなど表現が自由に。字幕は短い言葉で表現するのが難しい。画面と字幕がぴったりはまると嬉しいですね」と語る。「貪欲に挑戦したい」。
68年、北海道生まれ。
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