日中友好協会(日本中国友好協会)

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私と中国〈919〉

渤海大学名誉教授


江頭 忠正さん

 


日本語教えた中国人大学生2000人余

 1944年、台湾で生まれた。父は植民地時代の国策会社に勤務。終戦直後に佐世保に帰国し、神戸大学を卒業した。
 在学中に「3カ国語習得」「20カ国訪問」「自伝を書く」の「3つの目標」を立てた。15歳から英語、20歳からドイツ語を学び、52歳から中国語に挑戦、55歳で英語・中国語はある程度マスターした。
 その後、中国語同好会の仲間から「中国での日本語教師」を勧められ、遼寧省錦州市にある渤海大学に採用された。同大学はローカル都市の大学ながら50年の歴史をもっている。
 日本語クラスは1学年平均30人単位で3クラス、教えた学生は13年の勤務で延べ約2000人にのぼる。そのうち日本の企業や大学に来た学生は100人を下らない。
 錦州で働き、学ぶ日本人は20~40人(年により変動)。「日本人会」をつくり、長く会長を務めた。
 滞在中、日中間で2回の大きなトラブルがあった。1回目は小泉首相の毎年の「靖国参拝」(01~06年)、2回目は野田首相が強行した「尖閣諸島国有化」(12年)時。一部市民の行動で「日本料理店」のガラスが割られる事件はあったが、概して大きなものではなかった。
 「中国人一般庶民の大部分は反日ではありません。中国では『80后=1980年代、90后=1990年代生まれ』の若い人たちをこう呼びますが、考え方も多様になり、彼らはむしろ日本への憧れをもっています。ネットで日本のことを熱心に調べています」と語り、「今後こういう世代との付き合いが日中友好にとってますます重要になってくることでしょう」と結んでくれた。

(N)


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