私と中国〈915〉
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翻訳家
渡辺 明次さん
梁祝伝説の
真実に迫る
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年配の方のなかには、かつて中国から協会に贈呈された中国映画「梁山伯と祝英台」をご覧になった方もあると思う。その伝説を徹底的に調べ、論文にまとめた日本人がいる。その題名は「梁山伯祝英台伝説の真実性を追う」（日本僑報社刊）。そこには、みなさんの知る「梁祝伝説」とは若干違う姿がある。
渡辺さんは高校教師を30年勤めた後の２００２年、北京外国語大学に留学。「梁祝伝説」の一文を読み興味を覚え、この伝説は「実在した人のことなのか、そうなら墓もあるのでは」という疑問をもち、それが「梁祝研究」の始まりだった。
まず梁・祝が学んだ杭州に足を運び、中国各地に梁祝に関する伝承遺跡があることを知った。それは浙江、江蘇、安徽、河北、山東、河南、甘粛、重慶など８省と10市に及ぶ。
休日や夏休みに17の梁祝伝説の伝承地を実踏し卒業論文にまとめた。それは優秀卒業論文に選ばれた。中国梁祝文化研究会会長周静書氏から「第１級の資料」と絶賛された。
人民日報は「伝説の伝承地を実踏し梁祝伝説を調べ尽くした第一人者」と大きく報道した。渡辺さんは、その研究の成果を「口承伝説集」など「梁祝三部作」にまとめた。
また、「孟姜女伝説」でも中国各地を実踏し、「孟姜女口承伝説集」も出版している。いまなお、中国文化研究への熱意は衰えを知らない。
（宣）
