私と中国〈913〉
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戸畑支部事務局長
西 健一郎さん
中国で「憲法9条」
普及活動
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九州工業大学機械科で学び、製鉄機械製造の会社に就職、その後プラスチック金型製造の仕事に従事、2002年から上海に技術指導で3年間滞在した。
そのなかで「度々中国を訪問しているが、ただ仕事と観光だけでいいのか」と思い、「中国の人に、日本国憲法9条を知らせることによって、日本でも戦争に反対し平和を守る運動があることを知ってもらうことは、本当の?草の根の交流″ではないのか」と考えるようになった。
毎回の訪中のさい、中国語に訳して40部を持参し、仕事先の中国人の従業員や、外注先の社員や経営者、旅行のガイドなどに渡してきた。「中国人はあまり政治のことは話したがりませんが、少し強引でも渡したり置いてきたりしました。きっと読んでくれていると思います」と、真顔で話してくれた。
1960年代初め、知人から入会を勧められ日中友好協会の会員になった。もともと中国が好きで、北京放送(現在の中国国際放送局)を聞いていたが、北九州の「中国国際見本市」での中国使節団による妨害事件や、「文革」(1966~76年)の混乱のなかで疎遠になり、1999年の日中友好運動正常化を機に、05年「中国語教室」が縁となって再入会した。
戸畑区には中国の八路軍経験者も何人かいて、日本の中国侵略や中国の人民解放軍の話もよく聞いていた。
いま中国滞在の経験から「礼儀作法や習慣など、その国にはその国の物差しがあり、自分の物差しで相手をはかってはならないと思います。相手を思いやる気持ちを大切にした友好運動を進めたい」と、明るい笑顔をみせてくれた。
(宣)