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私と中国〈912〉

劇団文化座俳優


藤原 章寛さん

 


“稲葉小僧”  
68年ぶり公演

 2月に劇団文化座が公演した上海帰りのヤクザが主人公の「稲葉小僧」で、稲葉小六(稲葉小僧)を演じた。劇作家三好十郎の作品である。
 文化座は1942年、演出家・佐佐木隆、女優・鈴木光枝らによって旗揚げ。日本の現代劇を紹介する目的で、終戦間際の1945年6月に中国・満州に渡り、新京(現在の長春)・ハルビン・牡丹江・ジャムスなどを巡演し終戦。戦後の長春公会堂(旧新京公会堂)では「彦六大いに笑ふ」を上演し超満員の観衆が大いに沸いた。
 そして文化座が戦後初の東京公演として井の頭公園劇場で上演したのが「稲葉小僧」であった。
 佐々木愛さん(劇団代表・日中文化交流協会常任理事)は「(稲葉小僧は)68年ぶりの挑戦です。戦争中でも作品を創作された三好先生と父・佐佐木隆のほとばしるような情熱が今でも熱く蘇るこの作品はいつの世にもまっとうに生きようとする人びとの力強い生命力と息吹が感じられ、私まで瑞々(みず みず)しい気持ちにさせられます」と言っている。
 文化座は、三好十郎の作品を数多く手がけ、深い絆で結ばれていた。
 出演した感想を藤原さんに聞くと「これまで主役もいくつか演じてきましたが、三好十郎作品に出ることは、正直言って大きなプレッシャーでした。でも演じたことで、少しは成長したのではないでしょうか」と、笑顔で答えてくれた。その笑顔に「次代の文化座を担う若者の並々ならぬ決意」を感じ取ることができた。
 戦後70周年に当たる今年、5月には「戦争責任と戦後民主主義のあり方を問う」三好十郎作「廃墟」を劇団東演と共同で公演。藤原さんも主役級で出演。1986年生まれ。
(宣)
 

 申し込み・問い合わせ=劇団文化座 03(3828)2216

 

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