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私と中国〈861〉

宮川 珠子さん写真 日中友好協会

元小・中学校教師
宮川 珠子さん

 

「孤児配偶者署名」に奔走する92歳

 「残留孤児配偶者署名」を150人以上から集めました。きっかけは、10月に東京都連が催した中野ゼロホールでの「講演と合唱の夕べ」。
 たまたま受付にいた中野支部長の諏佐剛央さんから署名の訴えをされたのが始まりです。最初の10枚がすでに50枚になりました。
 郷里鹿児島の師範学校を卒業後、1940年(昭和15年)―国内が「紀元2600年」で沸き立ち、誰もかれもが「満州熱」の時期でした―義兄一家とともに「渡満」、旅順の中国人小学校の教師に。教師生活中には病気になった子どもの家庭訪問などもしました。
 その後、大連に移って日本人学校の教師生活中に終戦。住んでいた教員住宅の前を、ぼろぼろになって逃れてきた日本人の行列が通るのを見ました。自分のいた学校の講堂が避難所になりました。
 「日本人の警官や軍の幹部は中国人の恨みを買い、『仕返し』にあった人も多かったのですが、私は全く危害を加えられることはありませんでした」と、当時の思い出を語ります。
 1947年(昭和22年)に引き揚げ後、愛媛県などで長く教職に就きました。「私は子どもたちに遊んでもらったと思っています。その教え子たちとの交流は今でも続き、行けば泊って行けと言われることもあります。今回の署名も快く引き受けてくれています」
 会ってみると背筋が通り、明瞭・闊達なお話しぶりに驚きます。おしゃれな服装。歩くのがとても速い。パンを焼くのが趣味で、パン焼き機は4代目。82歳で織物を始めたといいます。
 「私でもいいのですか?」と、謙虚に問いながら中野支部の会員に。笑顔が素敵な92歳です。東京・中野区在住。(北中)

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