私と中国〈860〉
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画家
仲 裕行さん
自身の絵画作品を背に(東京中国文化センター)
“絵画”で日中友好に貢献 |
10月下旬から11月にかけて、「日中国交回復40周年記念」の「中日祝祭文化の風情」展が東京港区の東京中国文化センターで開かれた。
「尖閣」騒ぎにもかかわらず、期間も延長されるほどの盛況であった。
中国の画家、溥益瑶氏ら3人の出展者のひとりが仲さんである。主として「中国少数民族」を題材にした作風の日本画である。
東京藝術大学で平山郁夫画伯に師事、壁画の研究・模写のため訪れた敦煌でウイグル族やカザフ族と出会い、その魅力に取りつかれた。その後、少数民族が多く住む雲南・貴州など各地の取材を重ねた。
少数民族のスケールの大きさ、衣装の多彩さは魅力だったが、それ以上に、たくましく、そして素朴で温かい人間性に引かれた。
作品は福島県郡山市の郷さくら美術館や東京中目黒の郷さくら美術館東京館をはじめ、光ヶ丘美術館、大三島美術館、法務省、台東区、増上寺などに収蔵され、中国(北京)の画廊博に出品したこともある。
「尖閣問題」で「国交回復40周年」のイベントが次々とキャンセルされた事態を見て「日本と中国の文化交流の長さから言えば、相互理解は十分だと思っています。中国は日本にとって漢文・論語のルーツですし、先生、兄と言ってもいい存在でしょう。必ず仲直りすると信じています」と、明るく笑った顔が印象的であった。(宣)