私と中国〈850〉
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中国帰国者ボランティア
岩間 崇さん
帰国者の自立へ「パソコン教室」 |
東京都台東区浅草生まれ。2009年9月、台東区に「NPO中国帰国者・日中友好の家」(池田澄江理事長)が開設され、太極拳・ダンス・日本語・中国料理など諸教室を始めることを新聞で知った。そのなかの「パソコン教室」に目がとまった。
同時期に退職し、「何か社会に役立つことを」と考えていた矢先で、現役時代身に付けていた「パソコン」で手伝えないかと考え、旧知の同じ台東区生まれの津川公栄さんとNPOを訪れた。大歓迎され、昨年5月からボランティアで指導に当たっている。
生徒は10数人。60代後半から70代が中心、週1回。日本語が満足に話せない帰国者に「どう教えるか」、津川さんと知恵を絞り、個別指導を重点にした。全体的な説明をしても理解できない人が多いと考えたからだ。
漢字にはルビを振り、テキストの理解を重視し、ワードを主軸にした。約1年「習得状況は向上してきましたが、個人差が大きい」という。講習後は「日本語教室」も開いている。
中国「残留孤児」のことは、あまり知らなかったが、知人に借りた「満蒙開拓団の記録」を読み、「大変な体験をした人たち」であることを知り、「手伝えてよかった。みんな表情が明るい。充実感があります」と同席した津川さんと顔を見合わせ、笑顔を見せた。(宣)