私と中国〈845〉
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帰国者3世の双子姉妹タレント
山岡 千櫻(姉)さん・千鶴(妹)さん
「日中文化交流」で尽力したい |
東京都連合会の「新春のつどい」などに出演。ひょうたん笛を吹きながらの中国舞踊や、チベットの踊りを披露し、一躍人気者に。今や、舞台やイベントに引っ張りだこです。
1984年、残留孤児2世の父と中国人の母の間に誕生。踊り好きな母親の影響で歌や踊りを始めました。「母は『文化大革命』によって夢を断念。プロのダンサーや歌手になることは私たち家族の共通の夢」と、千櫻さんが語ります。
12歳で故郷の吉林省長春から北京へ。2人とも難関の北京芸術学院に合格、6年間、中国舞踊や歌、楽器などを学びました。
「寄宿舎生活のため、帰省は夏と正月だけ。ホームシックや訓練の辛さに耐えかね、ベットで泣いたことも。そんな時は母親がテープに吹き込んでくれたメッセージや歌を聞いたり、手紙を読んで乗り越えました」
卒業後は広東省深※(※=土偏に「川」)市の民族文化村芸術団にそろって就職。2008年の四川大震災ではボランティアとして現地へ駆けつけ、踊りや歌で被災した人びとを激励しました。
10年に父親と千櫻さんが、続いて翌年、千鶴さんも帰国。母親は日本に入国ができず今も中国に。
「日本人は親切でやさしい。私たちは中国で生まれ、中国人の教育を受けましたが、血は日本人です。日中相互理解の一助になりたい」
6月には中国中央テレビ(CCTV)の番組に出演が決定。「出演を通して日中文化交流の架け橋になれれば」と、2人の綺麗な目が輝きました。(押)