私と中国〈840〉
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リカイ食品代表
李 可為さん
岩手の原材料を使用した自慢の“月餅” |
盛岡市から約20キロ離れた田園風景豊かな矢巾町に日中友好協会でおなじみの「李さんの月餅」製造工場がある。従業員は日本人8人。
1997年、中国黒龍江省尚志市から岩手県に来た。いくつか職業を変えたが、小山富男さん(日中友好協会盛岡支部役員)の尽力で、幼いころからなじんできた“月餅”づくりに挑戦した。
原材料は「岩手産」に徹底してこだわっている。人気商品の南部小麦を中心に、卵も地元の農家から仕入れている。種類は、木の実・小倉・ゴマ・アンチーズの4種。中国産は添加物が多いが、一切使わない。
いまでは、東北一のSスーパーなど多くの顧客がついている。岩手県産業貿易振興協会や岩手県商工会連合会のカタログにも掲載されるようになった。協会からの注文も結構あるという。
趣味の太極拳で町民とのコミュニケーションも大事にしている。教えた生徒は100人以上。「中国では、太極拳は公園で無料でやっています。私もお金は取りません」と笑顔で話す。また長拳にも年季が入っている。
まだ40歳、「3人の子どもの成長が楽しみ」という子煩悩、日本に永住する。最後に「日本と中国が争いのないよう心から願っています」と表情を引き締めた。(宣)