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HOME > 私と中国 > 2012年1月5日号

私と中国〈839〉

井上 純一さん写真 日中友好協会

『中国嫁日記』の著者
井上 純一さん

 

違いを認め合うことが大切

 本紙(昨年10月15日号「本の紹介」)で紹介した『中国嫁日記』。
 アニメ、漫画が大好きな通称オタクの井上純一さん(40代)が、中国人女性・月さん(20代)との結婚生活をテーマに描いた4コマ漫画です。インターネット上でウェブ漫画4コマ日記サイト『中国嫁日記』としてスタート。閲覧者が今では多いときで5万から6万人にも増え、昨年8月に単行本として出版されました。
 幅広い世代から多数の声が寄せられ、今年3月には第二巻の出版が決定しています。著者の井上純一さんに出版に至るいきさつや思いを聞きました。

 

写真2

井上純一さん
 直筆サインとマンガ

 フィギュアのデザイン・制作に携わっている井上さん。月さんと出会う前から、中国語を勉強し、中国へは仕事の関係で2005年以降、頻繁に行くようなりました。
 中国人をテーマに描いた動機は、「中国の政治や経済の本は多く出ているが、中国人の等身大を描いた作品は少ないと思ったからです。当初は架空の人物で描いていて、内容も月との結婚生活ではありませんでした」。
 インターネットでまず公開しようと決めた際、読みやすくするために初めて4コマ漫画に挑戦し、月さんとの実録にしました。工夫した点は「更新を定期的にするよう意識したこと」。漫画は、井上さんが感じた日本と中国の文化の違いや、何気ない2人の日常生活がユーモアたっぷりに描かれています。
 2010年、尖閣諸島事件が起きた時に閲覧者が一気に急増、インターネット人気ランキングサイトで上位にランク入り。12社から出版のオファーがあり、出版に至りました。息子のお嫁さんが中国人という人やインターネットを使用しない世代から「中国の印象が変わった」と大反響です。
 井上さんはイメージしていたより顔が小さく細身。結婚生活で何が変わりましたか、と尋ねると「規則正しい生活に変わりました。歯磨きは一週間に一度だったのが、毎日磨くように。今では帰宅後、手洗いもします。月は料理好きで、漫画でも料理の話は数点ありますが、餃子は皮から作り、美味しいですよ」と優しい笑顔で幸せそうに語ります。
 第二巻は「月さんとの中国旅行からプロポーズまで」が描きおろされ、ブログで反響の大きかった「東日本大震災時のふたりの状況」も収録されます。
 最後に、日中友好について「中国に行った時、交通規制など日本にはない『ゆるさ』に驚き、一方で勤勉に働く中国人を知りました」と続けます。
 「人は違いがあるから面白い、違いを認め合うことが大切。それは日本と中国も同じです」(C)

 

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