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私と中国〈838〉

吉田 重信さん写真 日中友好協会

元上海総領事
吉田 重信さん
中国人留学生とともに(右端)

 

まだ続く「中国への長い旅」

 11月19日、「千葉支部主催 中国講演会」の講師を勤めたのは元上海総領事の吉田重信氏。
 吉田氏は大学卒業後35年間外務省一筋。ハイライトは1972年、日中首脳会談のお膳立てのための訪中で周恩来総理主催の歓迎宴に出席し、1976年、周総理死去に始まり四人組逮捕に至った中国の激動の一年を、北京日本大使館政治班の一員としてつぶさに見聞したことなど。
 「でも、外務省に入省したとき、憧れていた中国大陸にいずれは行けるだろうと期待して中国語を選択したのに、研修先は何と台湾大学だったんですよ」。ところが、これが幸いし、おかげで国際情勢を多角的にみる視野が広がり、貴重な財産になっているそうだ。
 外務省の先輩としては、敢えて辛口の採点を辞さない。「戦後一貫してアメリカに追随した結果、日本は外交のグランド・デザインを描けていない」と明言する。また、「日本・米国・中国を動態的な〈三角形関係〉として捉えている」とも。
 氏は外務省を退職後日中関係問題研究所を主宰する一方、地元の横浜で「憲法9条の会」の一員などとして熱心に運動している。
 また、かつて「アメリカン・フィールド・サービス」(AFS=高校生交換留学計画)により米国に留学した日本人OBたちが、いまや世界からの高校生を日本に受け入れるプログラムに協力して、毎年中国の高校生1、2人をショート・ステイとして家庭に受け入れるのが、同氏の生きがいであるという。(田中)

 

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