私と中国〈836〉
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元教師
近藤 順一さん
親身になって「日本語教育」 |
「先生、先生」。たどたどしい日本語が飛び交う賑やかで、和気あいあいの教室。それを聞いているだけで近藤さんの人柄がうかがい知れる。
東京都八王子市で在日中国人や中国帰国者に日本語を教えて1年。中国人受講生は10人程度なのに、講座には倍近い人が集まっている。「どうしてですか」と尋ねると、「日中友好協会会員で中国語のできる方をはじめ、有志の方たちが助っ人をしているのですよ」との答え。
「自分の語学向上を含めて一緒に勉強しているのです。この『対話形式』は、この講座の特徴といえるかもしれません」「それと母国の中国語を大事にし、中国の文化習慣も大切にするよう心がけています」と、物静かな語り口ながら熱意が伝わってくる。
広島大学で東洋史を学んだ。中国語が必須科目だった。故・横山英名誉教授(元日中友好協会広島県連会長)は恩師である。
協会歴も長い。福岡、東京と赴任するたびに、地元の協会組織に移籍し活動に関わってきた。全国に知人も多い。
03年以来、石原東京都知事による「日の丸・君が代」強制が行なわれ、八王子第五中学校勤務時に、これを拒否し戒告・減給・停職の処分を4回受け、10年に退職したが、いまも係争中である。
「八王子は国際都市で、外国人留学生で溢れています。最も多いのが中国人。協会が中心になって直接交流を大きく進めることが、日中間の真の理解を促進しますよ」と、協会の活動の大切さにも触れた。(N)