私と中国〈835〉
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中国民族民間舞踏家
松田 育さん
「楽しく」気持ちもいっしょに踊る |
柔らかな身のこなし、色鮮やかな中国民族衣装をまとって踊る姿が印象的です。
2001年、埼玉の自由の森学園中学校に入学後、中国舞踊部コーチで元中国北京中央歌舞団トップスター俳優の閻仲行氏から「踊ってみないか?」と誘われたのが運命の出合い。
鮮やかなシルク布をたなびかせて踊る「紅※舞」(漢族の春節の踊り ※=糸編に周)に魅了され、以来、放課後は部活、土日はA氏の主宰する研究所へ通い中国舞踊にのめり込んでいきました。
「友だちと遊びたい。何度もやめようと思った。でも踊りたいという気持ちが強かった」と当時を振り返ります。
高校卒業後、「7年間、中国舞踊を学んだのに中国のことを何も知らない」と、中国留学を決意。1年間、中国語と中国の文化や歴史を学んだ後、08年、北京中央民族大学の中国語進修科に留学。翌年には同大学舞踊学部民族舞踊予科へ。
「外国人は私だけ。チベット、モンゴル、タイなどの少数民族のクラスメートと仲良くなり、助け合いながら踊りを学びました。中国人だから、日本人だからということではなく、好奇心をもって接し、新しい出会いや発見を大切にして関わっていくことが重要」と語ります。
2年間の留学を終え帰国後、フリーの舞踊家に。現在は老人ホームや幼稚園などで公演を行なっています。
「いっしょに中国舞踊を楽しんでくださる方がいたら、どこへでも行きます。踊りのマルチプレーヤーになりたい。来年夏は日本全国で公演ツアーを予定しています」と、意欲的です。1988年、東京生まれ。(押)