私と中国〈815〉
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NHKドラマの主役モデル
城戸 幹さん
残留孤児体験 世に知らせたい |
日中友好協会本部は2月11日から13日まで、愛媛県伊予市で太極拳の種目別講習会を開催します。その初日夜、受講生を対象に、NHKドラマ「遥かなる絆」(09年放映)の主人公のモデルになった城戸幹さん(69歳)が講演する予定です。
1941年、愛媛県出身の両親の下で旧「満州国」の三江省富錦生まれ。45年8月、4歳で両親と生き別れ、中国人夫妻の養子となり、孫玉福として育ちました。59年、日本の両親を探し始め、日本赤十字社等に手紙を投函。
62年、中国籍から日本人籍へと改め、中国文化大革命の最中の70年に帰国し、日本の両親と再会。以降、愛媛県に在住して結婚、一男二女をもうけます。
自分の体験を死ぬまでには世に知らせたい、と思っていたところに、次女の久枝さんから本に書きたいと頼まれました。
久枝さんの書いた『あの戦争から遠く離れて−私につながる歴史をたどる旅』は、NHKドラマ「遥かなる絆」の原作。日本生まれの中国残留孤児二世として、残留孤児らへの取材活動を続け、10年をかけて同著を出版。大宅壮一、講談社の両ノンフィクション賞、黒田清JCJ新人賞を受賞しました。
ドラマの反響は、城戸さんが想像した以上。家の電話が鳴りやまず、好意的な内容がほとんどでしたが、「反響が大きすぎ怖かった」と城戸さん。
中国は第二の故郷。「避けては通れない」と自身も『「孫玉福」39年目の真実』を書きました。
愛媛県連の和田会長の尽力で実現した今回の講演で、城戸さんは自らの半生と、日中友好について語ります。(W)