私と中国〈811〉
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太極拳、長挙講師
佐渡 正城さん
さまざまな武術に長じ ひとり立ちめざす |
昨年の日中友好協会東京都連、今年の小金井支部(東京)の「太極拳普及30周年記念表演会」で、少林刀・少林剣・酔拳などを見事に演じた。
23歳の頃、中国国家一級俳優の王金良氏と出会い、王氏の芸術的な動きとさまざまな武術の魅力に取り付かれ、王氏の下で武術を学ぶ。しかし、生まれつき障害のあった膝が悪化、歩行困難になるほどの状態になり、絶望のどん底に陥った。
懸命の針治療とリハビリに励む一方、「自分を取り戻したい」と一念発起、資金を貯め、死を覚悟するほどの必死の思いを込めて、リュックと世界地図一枚で“アジア横断”の旅に出た。
単独で、5ヵ月かけて、中国・ベトナム・カンボジア・タイ・インド・パキスタン・イラン・トルコ・ギリシャを駆け回った。
そのなかで「自分には武術しかない。武術で身を立てよう」と決意を固め、再び王さんの下で2年間修行した。中国では王氏の紹介で、長拳で2年連続中国チャンピオンに輝いた妹の王金香さんに弟子入りし、2ヵ月修行した。
180cmを越す体躯で演じる長拳の腕前を買われ、山本寛斎プロデュースのスーパーショーに主役に抜擢、またNHK大河ドラマやTV、映画、舞台に出演。アクション監督としても活躍。
いまでは膝は完治、幾多の試練を乗り越えて、研鑽の日々が続く。(宣)