日中友好協会(日本中国友好協会)

日本中国友好協会
〒101-0065
東京都千代田区西神田2-4-1 東方学会ビル3F
Tel:03(3234)4700
Fax:03(3234)4703

HOME > 私と中国 > 2009年10月5日号

私と中国〈788〉

亀井 博さん写真

中国古書店 店主
亀井 博さん

 

「国定教科書」の道、許さないために

日中の近現代史を学ぶことが大切

 5年前、小田急厚木駅前に「古書店」(さつき平和書房)を開業した、その目玉の一つが「中国関係コーナー」である。戦前、日本で出版された中国に関する専門書も多数ある。「同文書院」出の知人(故人)の家族から大量に譲り受けたものがその契機だったという。
 35年間、法政大学女子高校で教鞭をとり、大学でも兼任講師として「社会科教育法」を教えた。その間、毎夏生徒を連れて「広島研究旅行」を20年間続けた。
 被爆死した少女の日記『広島第一県女一年六組森脇瑤子の日記』(細川浩史氏と共編・平和文化)は、中学生社会科教科書『日本の歩みと世界の動き』(1995年刊・帝国書院)にも掲載され、NHKでも「夏服の少女たち」として放映。
 実践記録としての『昭和史を学ぶ高校生たち』(1990年刊・平和文化)は、朝日新聞「天声人語」(1990年8月12日)でも紹介された。
 元社会科教師として「本来現場の教師たちが選定すべき教科書が、偏見をもった学者たちに任され、歪んだ歴史教科書が出回りだしたのは許せない」と憤りを隠さない。「このままでは戦前の国定教科書と同じ道をたどるのでは…」と憂慮する。
 中国に関しては「共産党だけしか存在しないのは『民主主義国家』ではないのではないか?」と理解している人が多いが、その歴史的経緯と社会的背景をしっかり学んで欲しい。そのためにも「日本と中国の近現代史」の学習の大切さを強調する。
 兄健三氏(故人)は「ちぎり絵」作家として有名。北京で「中日紙画聨展」(1996年9月)を開催し、日中文化交流に貢献した。健三氏は協会米子支部長も勤めた。(お)

[一覧に戻る]