私と中国〈785〉
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本立寺住職
遠藤 教温さん
仏教交流通じ、日中友好に尽力 |
北條早雲や二宮金次郎で知られる小田原市。その郊外に室町中期に開創され604年になる日蓮宗・光瑞山本立寺がある。教温氏はその47代住職である。
本立寺境内には戦後50年の1995年を記念して師が建立した「平和の礎」がある。師は40数年にわたり毎年8月6日に平和の鐘を打ち鳴らし、慰霊と平和を祈願している。
また寺の正面には、曽我梅林にちなんだ「梅の里9条の会」の大きな看板が掲げられている。その世話人の一人でもある。
中国との縁は、1965年「日中青年大交流」に父と交友のあった中濃教篤師(故人・元日中友好協会副会長)の推薦で仏教界代表で参加したことが始まりである。
日本宗教者平和協議会の橋本左内理事長もそのメンバーであった。約1カ月の中国滞在を通じ「清廉な中国」に強く感動した。
日蓮宗と関わりの深い天台山や法華経を漢訳した鳩摩羅什三蔵法師の眠る西安の草堂寺をたびたび訪問し法華経の石碑を建立、中国仏教会との交流も深い。
「いま世界で注目されている中国、仏教交流を通じて日中友好のお役に立ちたい」と控えめに語る人柄が印象的であった。(お)