日中友好協会(日本中国友好協会)

日本中国友好協会
〒101-0065
東京都千代田区西神田2-4-1 東方学会ビル3F
Tel:03(3234)4700
Fax:03(3234)4703

HOME > 私と中国 > 2009年8月5日号

私と中国〈784〉

石原 梨花さん写真

病院の医療相談員として活躍
石原 梨花さん

 

今は自分の人生に目標がもてるように

 石原梨花さんは兵庫県宝塚市に7歳の長男と2人で暮らしています。石原さんの母親は身元不明の中国残留孤児です。
 1992年、石原さんは4人の姉を中国に残し、両親、弟と4人で帰国しました。宝塚市に住むことになりましたが、両親とも病気で働くことができず、生活保護に頼っての生活でした。パンやおやつなど一切買わず、生活保護費を節約し、4人の姉たち家族を日本に呼び寄せました。
 石原さんは中国で高校を卒業後、すぐに日本に来たため中国での仕事の経験がなく、日本では言葉の問題のほか、病気になったこともあり、パートの仕事がほとんどで、正規の職業に就くことはできませんでした。
 「中国残留日本人二世の会」で活動するなかで、今年3月、野村医院に就職できました。昨年末から仕事が減り、「もしこの就職がなかったら、生計のめどが立たなくなって、日本に住むのをあきらめていたかも知れない」と石原さん。
 彼女が勤め始めてから残留邦人一世や中国人研修生も来院するようになり、日本に来た時の夢だった通訳の仕事が、少しずつでもできるようになりました。業務時間中に、パソコンや生け花などの研修も受けさせてもらっています。
 石原さんは「今は、以前には想像もつかなかった自分の人生の目標があります」と力強く語りました。
 野村医院の事務長の平野学さんは「石原さんは仕事の範囲も広がってきました。仕事に必要な知識や技術、そして日本社会のことをしっかり学び、自信をもって、日本で生きていってほしい」と期待しています。(宗景)

[一覧に戻る]