私と中国〈783〉
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北海道と中国とのスキー交流事業を担う
三品 章男さん
夢は中国の子どもにレベルの高いスキー指導 |
1941年、樺太(からふと)生まれ。スキーを始めたのはその樺太に住んでいた2歳の時。
北海道上川郡新得町に来てからの学校時代はずっとスキー選手として活躍。卒業後は仕事のかたわらスキー技術の指導者の道をまい進。全日本スキー連盟公認A級検定員、日本体育協会公認スポーツA級指導員・A級教師の資格をもつ。
現在は北海道スキー連盟の常任理事および教育本部幹事長として内外の渉外調整を担当。その指導力を買われて、07年から始まった北海道と中国のスキー普及振興事業「スキー指導者育成事業」に計画立案段階から参画し、08年からその交流事業を軌道に乗せた。
中国が日本に期待するのは、インストラクターの質の向上、指導者の組織づくりと検定制度の確立およびスキー場の安全な設計、設備などの伝授で、それらの要望に丁寧に対応し指導する姿には中国人の厚い信頼が集まっている。
冬の北海道に中国からスキー観光客を誘致したい札幌市経済部や国交省関係からも頼りにされている人だ。
これまでスキーの関係でさまざまな国を訪れているが、中国は全く想定外。日本のスキー技術が受け入れられるかどうか不安もあったが、中国人の熱心な研修姿勢にそれは吹き飛んだ。
スキーを続けるのは、そこに「素晴らしい出会い」があるからで、中国でも、過去の歴史のいきさつを超えて、多くの出会いが始まった。これを一過性ではない息の長い交流事業として育てるつもり。
今後、中国北東部の山間でスキーを遊びにし身につけている子どもたちに用具を提供し、レベルの高いスキーを指導するのが夢だと語る。(吉村澄代)