私と中国〈768〉
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中国人戦争被害者の要求を支える会
事務局長
大谷 猛夫さん
加害の歴史を若い世代に |
東京都内の中学校で社会科の教師を務めながら、中国人戦争被害者の要求を支える会(以下、支える会)に95年の結成ごろから呼びかけ人として参加。
日本政府に中国人被害者への謝罪と賠償を訴え、731部隊・南京大虐殺・無差別爆撃、中国人「慰安婦」、中国人強制連行・強制労働、平頂山事件、遺棄毒ガス・砲弾被害事件の各訴訟で原告側支援、学習会や集会の開催など大活躍です。
きっかけは、96年に平頂山事件の現場とハルビンの731部隊跡を訪ねたこと。被害者や遺族の証言を聞くうちに「これはなんとかしなければ…。加害の事実を子どもたちに教えないと」と思いたちました。
その後、裁判のため来日した被害者を学校の授業に招き、教科書にはない加害の歴史に重点を置いた授業を続けてきました。
02年から支える会の事務局長。無差別爆撃訴訟の敗訴時、「裁判には負けたが、良かった。また大谷さんたちと交流できるから」と、原告の高熊飛さんがかけてくれた言葉が原動力に。
07年3月の中学校定年退職後は、週3日3つの大学で教員志望の学生に加害の史実をどう伝えていくかを教えています。生徒の反応は上々。「裁判の傍聴や、支える会の集会に来て手伝う学生もいます。希望がある」と語ります。
「戦後補償問題はなんとしても全面解決を。そして将来、加害の歴史をまとめた教材を作って全国の教師に広めたい」。大谷さんの夢は尽きません。(O)
1946年生まれ、東京都出身。支える会のホームページ(http://www.suopei.jp/index-j.html)Eメール(suopei@tky.3web.ne.jp)