私と中国〈766〉
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人民日報網絡センター 日本語版編集部翻訳スタッフ
吉村 澄代さん
日中の架け橋 地で行く活躍 |
昨年12月に、かもがわ出版から『素顔の中国』を出版した。街と人と暮らし55話から成り、主に中国北京の街に見るさまざまな事情に触れたものだが、豊富な情報と確かな統計を用いて書かれ、中身は濃く読み応えがある。並々ならぬ取材力の程が見てとれる。
京都の高校教員を早期退職した後、中国に行き2001年から4年間、かつて「北京放送」と言われた中国国際放送局(中国国際廣播電台)日本語部ニュース部の翻訳編集担当で働く実績をもつ。「海外に向けてのニュースゆえに、外国の国名や地名、人名などすべて漢字で書かれ、類推するのに苦労した」と話すが、一方では「おかげで世界各国の要人、話題の人物、スポーツ選手の名前などにはずいぶん強くなった」とも。「翻訳チェックの仕事は、『中国語原文』『中国人が訳した日本語』『自分が訳す日本語』という3つの思考回路を使うので、非常に疲れる」と話すなかにも、国際ニュースの第一線に携わってきた自負がうかがえる。
1990年ごろから、何度も中国各地を訪れては教育事情の調査・研究活動を経験し、清華大学や中国東北師範大学に留学の経験ももつ。そんな多くの実績が、持ち味となった取材力を培ってきたのだろう。
2005年以降は人民日報網絡センター(人民網)日本語編集部翻訳スタッフとして、中国社会のさまざまなニュースの翻訳を担当する。オリンピック期間は取材レポートの配信に追われる毎日で、まさに日中の架け橋を地で行く活躍を続けている。
(京都府連常任理事 高橋昭夫)