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HOME > 日中友好新聞 > 2018年3月5日号

日中友好新聞

民族大移動にも変化が
都心では爆竹も禁止
上海の春節模様
河合 潔


shinbun
春節の上海駅。切符売り場には予想外に人が少ない




 中国の人びとにとって1年で最も楽しい祭日は「春節(旧正月)」。今年は2月16日が元日でした。上海の「春節模様」について、同市在住の河合潔さん(ビジネスマン)のレポートを紹介します。

乗車券はネットで購入

 従来春節というと、延べ30億人とも言われる民族大移動のため、駅には長蛇の列、列車には人があふれというイメージであるが、本年は明らかに様子が異なっている。
 昔は大きな袋を担ぎ、故郷に残した奥さんや子どものために果物や玩具を買って帰る人で駅や列車はあふれていた。私も単身赴任だったころ、その姿を自分に重ね合わせ、日本にいる妻や生まれたばかりの子どもに思いをはせたものだ。
 さて現在はというと、スマホのiPhoneからネットで切符は予約でき、わざわざ駅で並ぶ必要もない。すでに情報が登録されている場合、iPhoneをかざすだけで改札口を通れるシステムも上海では始まった。
 また地方への流通が進んでおり、わざわざ上海など大都市で物を買わなくても現地で調達できるようになった。この前も上海駅に立ち寄ったが、予想外に人が少ない。iPhone片手に軽装で動く人も多い。
 春節の名物、爆竹も最近は都心で禁止となり、「爆竹の聞こえない都心で暮らすのが夢!!」という冗談もあるぐらいだ。

shinbun
iPhone片手に軽装の人も多い



出国ラッシュは続く

 2年ほど前に「爆買い」が流行語にもなったが、この春節も中国人訪日者は多いと思う。上海浦東(ほとう)空港も長蛇の列であった。昨年度は前年比15%増の約735万人の訪日者数と推計値も出ているみたいで、1000万を超える日も近いと思われる。
 日本製の化粧品・医薬品・お菓子は非常に人気がある。また大都市の人気観光スポットはすでに訪れたことがあるということで、四国や東北等観光地のすそ野が広がってきている。
 今後、日本ファンの中国人はますます増えると思われるが、今一度中国ファンの日本人も増えてほしいと思う今日この頃である。

中国にも寒波襲来

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吹雪の舞うなか、上海タワーの
ネオンが幻想的な風景

 元旦と旧暦の正月(春節)を挟む期間は中国駐在員にとっては、楽しい時期である。各所で新年会(忘年会?)が催され酒を飲む機会も増える。
 本年は世界中が大寒波に見舞われ、日本でも北陸地方など大雪が降っているが、中国もこの時期に寒波が襲来し、久々に上海市内も雪に覆われた。
 ビジネス街である浦東陸家嘴(りくかすい)も夕方までに雪が積もり、浦東空港と虹橋(こうきょう)空港を東西に結ぶ地下鉄2号線の駅に向かう道も一面真っ白で、上海タワー(高さ468㍍)も吹雪の舞うなか、ネオンが輝く幻想的な風景となった。  雪国では負担となる雪も上海に住む人にとっては珍しく、あちらこちらで写真撮影をする人の姿が見られた。



アメ横並みの自由市場

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上海の自由市場は東京・上野のアメ横商店街の
年末風景が思い出される

 上海もスーパー・コンビニ・宅配が発達しており、昔みたいに市場で買わなくても済む時代になったが、妻は昔ながらの自由市場で店員と対面でおしゃべりしながら野菜や魚、肉を買うのが好きである。価格交渉をする過程が面白いと言い、毎日のように自由市場に行く。
 年末の自由市場には旧正月に備え、故郷に持ち帰るための名前を付した塩漬けの鶏や魚の開き、腸詰めが所狭しと吊るしてあり、年末の情景の一つとなっている。
 旧正月前に商品を売り切ろうという思いもあるのか、店員の呼び込みにも熱が入っており、東京・上野のアメ横商店街の年末風景が思い出される。
 最近、家に帰るたびに品物が増えており、店員につかまって買わされたと妻が話していた。やはり上海の人は商売がうまいみたいである。

(上海在住)



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