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日中友好協会(日本中国友好協会)

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HOME > 日中友好新聞 > 2018年1月25日号

日中友好新聞

日中戦争80年共同キャンペーン
日中戦争から平和憲法へ
メーン集会に400人が参加


shinbun
写真家の落合由利子さん、ライターの室田元美さん、
元兵士などへ手紙を書いた青年らによるトークセッション



 侵略戦争の加害の歴史を広く世の中に伝え、戦争による惨禍を再び引き起こさない日本をつくろうと、日本中国友好協会はじめ、週刊金曜日、市民の意見30の会・東京、日中戦争80年市民フォーラム、撫順の奇蹟を受け継ぐ会などの9団体が結集した「日中戦争80年共同キャンペーン」実行委員会は昨年7月から毎月、加害問題をテーマにした学習会を重ねてきました。
 そして、12月17日には「日中戦争から平和憲法へ」と題したメーンの集会を東京都内で開催、約400人が参加しました。



事実と向き合い体験者の思いを受け継ぐ

 同実行委員会が主催した第1部は「日中戦争から80年」というタイトルで、トークセッション、演劇パフォーマンス、パネル討論が行われました。
 トークセッションでは、写真家の落合由利子さん、ライターの室田元美さん、元兵士などへ手紙を書いた青年が登壇し、『若者から若者への手紙 1945→2015』を出版したいきさつやエピソードを紹介しながら、戦後世代が戦争と向き合うというのはどういうことなのか、また「伝える」ということの意味や日々感じていることなどについて、語り合いました。
 劇団俳優座の有馬理恵さん、加藤頼さんによる構成劇「砕かれた花たちへのレクイエム」(詩/石川逸子)は、「従軍慰安婦」の怒りと悲しみを伝え、事実と向き合い体験者の思いを受け継いでいく大切さを強く訴えるものとなりました。

討論で戦争を考える

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3氏による白熱したパネル討論

 パネル討論では、笠原十九司都留文科大学名誉教授、映画監督の森達也さん、作家の雨宮処凛さんが登壇し、日中戦争80年市民フォーラムの植松青児さんが司会を務めました。
 笠原さんは「戦争は突発的ではなく周到に準備されて始まる。国民の同意を取り付け、反対する勢力を弾圧する法律を制定する。その過程は戦争『前史』であり、それが『前夜』に至る」とし、「日中戦争における『前史』とは1915年の対華21カ条要求であり、28年の田中義一政権を経て『前夜』に至った。現在の日本は安倍政権の下で安保法制成立など戦争への準備が周到に行われている。これは戦前の『前夜』へ至る状況に酷似している」と述べました。
 森さんは、加害認識について日本とドイツを比較し「日本人は個であるより集団に従属しやすい特徴をもつ。それは戦争に加担しやすく加害の記憶も曖昧にさせる。私たちは己の属性を理解し組織に目をこらすことが必要」と述べました。
 第1部の閉会あいさつに立った日本中国友好協会の矢崎光晴事務局長は、明治150年の節目に当たる2018年も共同キャンペーンの取り組みを継続・発展させ、加害体験を語り伝えていくことの大切さを強調し、協力を訴えました。

証言DVD上映で戦争の本質を明らかに

第1部と第2部の合間には証言DVD「泥にまみれた靴で」を上映。亡き加害体験者の証言を通して、侵略戦争の事実と人間であることを許さない戦争の本質が明らかにされました。

「平和憲法を取り戻すために」と題した第2部は週刊金曜日の主催。

 纐纈(こうけつ)厚山口大学名誉教授の「蘇生する〝戦争国家″日本の現段階~近現代史の検証から現代政治の本質を読み取るために~」と題した基調講演のほか、松元ヒロさんのスタンダップコメディー、石坂啓さん、落合恵子さんのミニ講演、韓国人徴兵拒否者をゲストに迎えての佐高信さん、宇都宮健児さん、雨宮処凛さんによる座談会「兵役拒否と憲法」などが実施され、平和憲法を守り抜く決意を新たにする内容となりました。  (M・T)



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