日中友好新聞
306人が熱戦を展開
中国アマチュア棋士が初参加
第34回日中友好囲碁大会
64チーム・306人が熱戦を繰り広げた「第34回 日中友好囲碁大会」(2017年11月12日)
日本中国友好協会は11月12日、東京・千代田区の日本棋院本院で「第34回日中友好囲碁大会」を開催、64チーム・306人が参加。中国から初のアマチュア棋士が参加し、大会を盛り上げました。
大会は、金子ハルオ氏(東京都立大学名誉教授・日本棋院普及功労者)が大会実行委員長を、蘇耀国(そ よう こく)氏(日本棋院9段)が審判長を務め、協会東京都連が協賛、日本棋院、中国大使館が後援しました。
無差別から有段・級位まで、火花を散らして
開会式では、金子ハルオ実行委員長が、「34回の大会で初めて中国のアマチュア棋士の方々の参加が実現し、名実ともに日中友好囲碁大会に相応しいものとなった」とあいさつし歓迎を表すと、中国棋士全員が起立、会場から大きな拍手が沸き起こりました。
大会には、無差別級クラス8、有段者Aクラス(3段以上)20、有段者Bクラス(3段から初段まで)19、級位者Aクラス(1級から6級で)10、級位者Bクラス(7級以下)7の64チームが、第1局から第4局まで(各1時間30分)熱戦を繰り広げました。
シニアに加え、女性と、ジュニア38人が参加し、ジュニアが大人の選手を圧倒する場面も随所で見られました。特に、中国チームも参加した無差別クラスでは4局とも時間ギリギリまで熱戦が続き、審判長が勝敗を判断する場面もありました。
中国チームが級位で優勝
南棋院チーム(左)が初参戦
中国チーム(無差別級・級位B各1チーム)は、蘇耀国審判長の故郷・広東省広州市の
南(れいなん)棋院(生徒は約1万2000人、主に4歳から10歳の子どもが所属)から参加、8人の棋士のほか、蘇さんの父母など随員を含め12人。
蘇さんの父親(蘇雅中さん)も参加した級位者Bチームでは見事に優勝しました。蘇雅中さん(10級)は「人生で初めて囲碁大会に参加しました。楽しくとても幸せです」と語りました。
また、同院Aチームの夏睿(か えい)さん(7段)は、日本人棋士と対戦したこともある実力派。「日本人は棋風が本格派で形が良い。対して中国人は少し強引。全然違いますね。1局目は緊張しましたが、本調子になってきました」と余裕をみせました。
参加者の中には、この数年、毎回参加している在日華人囲碁倶楽部10人と、かまくら学園から2人の中国人学生も参加。在日華人囲碁倶楽部の熊崗(ゆう こう)さんは、「碁を通していろいろと交流ができて面白い。今の成績は一勝二敗。あと一勝したい。頑張ります」と意欲的。
かまくら学園の周涵宇(しゅう かん う)君(小学3年生9歳)は、「初参加、囲碁を始めて1カ月くらい。試合は楽しい」と、にっこり。鄒煌輝(すう こう き)君(小学2年8歳)は、「始めて半年くらい。初参加だけど、中国と日本で1回ずつ試合に出たことがある。試合は全然緊張しない」と余裕の笑みを浮かべました。
「35周年大会」の成功めざして
鄒煌輝君(左)と周涵宇君
来年2018年は、日中平和友好条約締結40周年です。日中友好囲碁大会も「35周年」の区切りを迎えます。中国とゆかりの深い囲碁活動は協会の全国組織でも、福岡・香長(高知)・東京などで開催しています。
34回大会には、東京都連大田支部、南部ブロック(目黒・品川両支部)、千代田支部、杉並支部の会員が参加しました。この日、福岡県連の松山盛利会長が「見学したい」と訪れ、「凄い迫力だ」と驚嘆していました。
実行委員会では「来年の大会には全国の代表の参加も呼びかけ、囲碁を通じて国民間の相互理解を広げよう」と話し合っています。
(大田宣也=日中友好囲碁大会事務局長)