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日中友好協会(日本中国友好協会)

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HOME > 日中友好新聞 > 2017年8月5日号

日中友好新聞

加害の歴史学び
アジアに平和を
東京でキックオフ集会
日中戦争80年共同キャンペーン


shinbun

「『日中15年戦争』は、私たちに何を語りかけているか」について講演する纐纈氏



8団体が結集し活動へ

 盧溝橋事件80年、南京大虐殺事件80年の歴史的な節目に当たる今年、侵略戦争の加害の事実に向き合うことを呼びかける「日中戦争80年共同キャンペーン」がこの7月にスタートしました。
 この共同キャンペーンの実行委員会には、週刊金曜日、市民の意見30の会・東京、日中戦争80年市民フォーラム、日本戦没学生記念会(わだつみ会)、撫順の奇蹟を受け継ぐ会、不戦兵士・市民の会、平和の棚の会と日本中国友好協会の8団体が結集し、さらに実行団体と協賛団体を広げていきながら、12月17日に東京・千代田区の日本教育会館で開催する記念集会に向けて、共同の取り組みを展開します。
 共同キャンペーンの幕開けは7月8日夜、東京・新宿区で開催された「キックオフ集会」。
 主催者あいさつに立った週刊金曜日の原田成人さんは「多くの日本人にとって7月7日は盧溝橋事件の日としては記憶されてきませんでした。そのことと、歴史修正主義がはびこる安倍自民党政権下で、憲法が改悪されようとしていることは無関係ではありません」と、盧溝橋事件の歴史を学ぶ今日的意義を強調。
 そのうえで「日中戦争や朝鮮の植民地支配をはじめとするアジアへの加害の歴史を見つめ直すことが東アジアの平和の構築のために求められています。共同キャンペーンの講演会や学習会を通して、多くの人に加害の歴史と平和について考えていただくきっかけになればと考えています」と、キャンペーンの主旨を説明しました。


shinbun

協会関係者も参加した7月7日、8日の国会前集会
(日中戦争80年市民フォーラム主催)。
参加者が次々とマイクを握りスピーチ




15年戦争の教訓は何か

 協会制作の証言DVDのダイジェスト版の上映後、約60人の参加者を前に山口大学の纐纈(こうけつ)厚名誉教授が「『日中15年戦争』は、私たちに何を語りかけているか」と題して講演。
 纐纈氏は、日本の近代化の下で排外的なナショナリズムの対象となった中国に対する侮蔑(ぶべつ)意識が国内統一に利用されたこと、それが戦後のナショナリズムの再生のなかで嫌中感情として広がり、これを安倍政権が利用していることを指摘。
 経済発展著しい中国という新たな「大国」を「脅威」とみなし、これへの対抗措置として、米国への依存を図りながら、再び軍事主義や国家主義の流れに身を任せようとする危うい時代になっているのではないかと問題提起しました。
 そして、戦後日本は「米国に敗北」したと総括し「太平洋戦争」との呼称によって、中国をはじめとしたアジアとの戦争の歴史事実が希薄化・忘却化されていったと指摘し、アジア太平洋戦争の歴史事実が一段と歪曲化される可能性が出ているなか、また中国・北朝鮮脅威論に便乗する国民意識が続いているなかで、アジア侵略・植民地化の責任を問い続けることなくして日本の平和の再構築はできないと結びました。


shinbun

纐纈氏(奥)の講演を聞く参加者


中国脅威論の根源知る

 参加者からは「日本人の中国のとらえ方のゆがみから日中戦争が起こり、今も中国脅威論があるのだという観点が大切だと思いました」「日本はアメリカに負けたのだと思っていたが、中国との戦争によって疲弊(ひへい)し負けたこと、そして、この戦争の総括の恣意的な誤りが戦後日本の進路をも歪(いびつ)なものにしたことがよく分かった」などの感想が寄せられました。
 実行委員会では、12月の記念集会に向けて8月以後も毎月1回の学習会を開催するとともに、各団体が独自に進める企画を成功させるための相互協力を呼びかけています。80年の節目に展開される共同キャンペーンの催しにぜひ、ご参加ください。


(M)





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