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日中友好新聞

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中国共産党の第18期第6回中央委員会総会(10月28日付人民日報)



 中国共産党の第18期第6回中央委員会総会(6中全会)が10月24~27日、北京で開かれました。
 27日夜に公表されたコミュニケは「習近平同志を核心とする党中央に緊密に団結せよ」と呼びかけ、習近平総書記に対し、初めて公式に「核心」という呼称を使いました。



党の指導堅持めざす

 党最高指導者を「核心」と位置付けたのは、党の歴史上、毛沢東、鄧小平、江沢民・元総書記の3人。胡錦濤・前総書記には使われませんでした。習近平氏の地位が党内で突出した存在になったことが明確になりました。
 習氏を「核心」と位置付けたことについて、10月28日付の党機関紙・人民日報は、「全党、全軍、各民族の共同の願いの反映だ。党の指導を堅持し強化する根本的保証だ」と解説しました。
 28日に記者会見した黄坤明・党中央宣伝部副部長は「党中央の権威を守るため、全党が心一つに団結し、初心を忘れず、引き続き前進するため、重大で深い意義がある」と強調。
 2012年の第18回党大会以来、習氏が指揮する全党は内政、外交、国防などで重要な成果を上げ、「習近平総書記は、この新たな偉大な闘争の実践の中で、すでに党中央の核心となっている」と説明しました。



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北京の天安門広場近くで売られている毛沢東と並んだ
習近平国家主席関連のグッズ=2016年10月31日

反腐敗闘争の継続宣言

 ある中国共産党関係者は、6中全会の主要議題が「厳格な党内統治」だったことも関連があると指摘します。6中全会は、習指導部が進めてきた反腐敗闘争の継続を宣言。党内での自己批判や相互監督の強化を打ち出し、党幹部らの規律違反などを発見したら実名報告するよう求めました。
 また、「新情勢下の党内政治生活に関する若干の準則」の制定や「党内監督条例」の改正を決めました。
 党内にはびこる深刻な腐敗に対し、習指導部は大規模な反腐敗闘争を続けてきました。「虎もハエも一網打尽にする」との姿勢で、周永康・前党政治局常務委員、郭伯雄・前中央軍事委員会副主席ら大物を次々と摘発。
 中国国営テレビで10月17日から8回放映された「永遠に途上」と題するドキュメンタリー番組は反腐敗闘争の成果を大々的にアピールしました。
 背景にあったのが、「腐敗問題を解決できなければ、党も国家も滅びる」との強い危機感でした。腐敗で党が人民の信頼を失うという、党の正統性すら揺らぐことへの強い懸念です。庶民は習指導部が進める反腐敗闘争を支持し、人民の党への信頼は一定程度取り戻せたと見られています。
 しかし近年、中国の経済発展が減速し、社会に閉塞感が広がっています。党員の共産主義への信念も薄れつつあります。党中央は、習近平氏を「核心」として党の指導力をアピールし、8800万党員を結集して、危機乗り切りをはかろうとしていると思われます。




「党内民主」など強調

 一方、毛沢東時代のような個人崇拝が「文化大革命」(「文革」)などの悲劇を招いたことへの反省は常に党内にあります。今年は「文革」開始から50年。5月に人民大会堂で、「文革」時代に流行した革命歌などを歌うコンサートが開かれ、その中には習氏を崇拝する内容の歌もありました。
これに対し、党内からも批判が噴出。個人に権力が集中することへの懸念も出ています。
 6中全会コミュニケは、「集団指導体制の堅持」を明記し、「民主集中制」や「党内民主」の重要性も強調しました。
 今後、習氏の権力がどのように強まるのか、「党内民主」はどう実現されるのか、来年後半に開かれる第19回党大会に向け、注目されます。




(ジャーナリスト=北京在住)






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