#

日中友好協会(日本中国友好協会)

日本中国友好協会
〒111-0053
東京都台東区浅草橋
5丁目2-3鈴和ビル5階
Tel :03(5839)2140
Fax:03(5839)2141

HOME > 日中友好新聞 > 2016年10月5日号

日中友好新聞

次第に打ち解け固い絆へ
日中の学生が中国で合宿交流


 

shinbun

白熱した討論が展開された「持続可能な開発と環境保全分科会」



59人が2週間の日程

 「百聞を論じ、一見して気付く夏~個から広がる相互理解の輪~」。
 これは今年開催された第35回日中学生会議のスローガンです。日中学生会議は今年で設立30周年を迎える学生団体であり、日中両国の学生を集め約2週間にわたる議論合宿がメーンプログラムです。 今年は8月8日から中国の北京、上海、広州の3都市を17日間かけてめぐりました。参加人数は日本31人、中国28人の合計59人でした。
 日中学生会議は全国規模であり、日本全国の学生を参加対象としています。今までの参加者の出身では、北は北海道、南は長崎と、さまざまな学生が集まります。
 参加者の大半は大学生ですが、大学院、また高校生の参加者も在籍しています。使用言語は中国語、日本語、英語のいずれかで、会議中は3カ国語が入り混じり、それがさらに議論を白熱させます。




shinbun

全員集合の記念撮影



民族衣装の試着会も



 初めて対面した外国人の学生との共同生活に最初は戸惑いなどを感じていた参加者。しかし、分科会での議論、休憩時間、食事での会話、観光などでの交流で、その溝は消えていきます。
 議論では、国民性や価値観の違いなどで対話がなかなか進まない様子も見られましたが、宿泊先ではお互いが持っている民族衣装で試着大会を行なったり、ある分科会では、フルーツが安い中国事情を利用し大量のフルーツを買い毎晩?水果(フルーツ)分科会″を開催し、昼間討論し終えなかった内容を深掘りしていました。
 また、「中国側のホスピタリティーに感動した」いう声もたくさんありました。感謝を伝えるため、ある分科会では、日本側で毎日、中国側参加者への感謝の仕方を研究していました。



互いに壁を乗り越えて



 このように、さまざまな喜怒哀楽を分かち合えた参加者たち。
 日本側と中国側双方の実際の参加者の声をご紹介します。
 「互いの価値観の違いを認識することができた。また、共同生活を営む中で言語、文化、生活習慣等の違いにストレスを感じることはあったものの、それらを許容しようと努めることは相互理解につながったと考える」                                     (日本側参加者)
 「議論で紛糾しても食事はみんなでわいわい楽しみ、観光もしながらいろんな人と話し、中国人や日本人という一般名称では語れない立場に互いを位置付けることができた。夜、分科会の続きをしながら一人また一人と寝落ちし気づいたら雑魚寝していて朝、なんてこともあり、そんなところに学生らしさを見出したりした」                                 (日本側参加者)
 「一緒に過ごした17日間では言語の壁、価値観の壁にぶつかり、それによって意思の疎通がうまくいかなかったこともあったが、それ以上に国籍、文化の違い、価値観の違い、性別の違いを越え、さまざまな学校から、さまざまな専門を学ぶ多様多彩な学生たちとの交流が与えてくれたものは言葉で言い表せない。この経験は間違いなく私たちの一生の宝となるだろう」    (中国側参加者)



未来の友好につながる



写真3 日中友好協会
みんなで仲良く食事(中央奥左が王さん)
 第35回日中学生会議は、8月25日の広州での直後合宿を終え、そのすべてのプログラムを終えました。直後合宿では36期の実行委員会が誕生し、すでに次の会議への準備を始めています。
 日中関係についての言論が絶えない中、日中学生会議は30年間その活動を続けてきました。その背景には、一代また一代と築き上げられた絆と、それを支える多くの人びとの熱情があります。
 若い世代でお互いの相違を受け入れ、学び合い、絆を築く活動がそう遠くない未来の日中友好への一歩につながると確信し、日中学生会議は、その活動を続けてまいります。

(王萌子=第35回日中学生会議実行委員長)

 





[一覧に戻る]

#