日中友好新聞
憲法守り、不再戦平和の前進めざし
日中友好の心情を広く国民の中へ
日本中国友好協会第65回大会
287人が参加、活気ある発言が続いた日本中国友好協会第65回大会
(大会関係写真はすべて戸村文夫氏撮影)
日本中国友好協会は、6月11、12の両日、東京都内で代議員、評議員、役員ら287人が参加して第65回大会を開催しました。
大会では、安倍政権によって、憲法9条と立憲主義、民主主義を踏みにじる「安保法制」(戦争法)が成立した下で、「不再戦平和」を基本にした日中両国民の草の根の交流と、侵略戦争の事実と教訓を伝える不再戦平和活動、日中両国民の相互理解と友好の心情を育む文化活動や友好交流活動を広げ、「戦争法」を廃止させ、憲法改悪を阻止し、日中友好をアジアと世界の平和と安定につなげるために、幅広い市民とともに奮闘する決意を固め合いました。
梅雨の晴れ間が広がった初日、会場は東京湾に臨み、第65回大会開催に相応しい雰囲気をかもしていました。
2年連続して会員増で迎えた今大会。大会開始前には全国各地から参加者が集まり大会気運が盛り上がりました。
初日午後1時、大会の開始が宣言され、大会議長、大会資格審査委員など大会役員を選出(5面に大会役員紹介)。この1年間に亡くなった物故会員47人に黙祷を捧げました。
あいさつに立った長尾光之会長は、協会が設立以来、「不再戦平和」の運動を展開してきたことを強調、協会の歴史を踏まえ節度をもった相互交流を進めながら、中国や日中関係をめぐるさまざまな動きを的確に分析し、正しく国民の前に明らかにし、真の日中友好運動を推し進めようと呼びかけました。
来賓4氏があいさつ
来賓の5氏
(右から汪婉参事官、王磊二等書記官、笠井亮氏、福山真劫氏、小松崎榮氏)
来賓として、中国大使館の汪婉(おう えん)参事官、王磊(らい)二等書記官、日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会の小松崎榮代表理事、総がかり行動実行委員会の福山真劫(しん ごう)氏(平和フォーラム共同代表)、日本共産党衆議院議員笠井亮氏が紹介され、4氏があいさつしました。
汪氏は、日中友好協会が正確な歴史認識に立って不再戦平和運動に全力をあげていることを高く評価。中日友好の基礎である「民間交流」を共に前進させようと述べました。
小松崎氏は、日本国憲法を指針として、緊張と紛争を平和的に解決し、友好連帯を進め平和な東アジアと世界を作ることが大事であると強調。日中友好協会と手を携えて頑張っていきたいと表明しました。
福山氏は、「戦争法」に反対する国民的な新たな運動が広がっていることを強調し、日中問題を考える前提として、加害責任と歴史認識の確立、憲法9条の擁護、72年日中共同声明の立場の順守をあげ、民間交流を通じて、東アジアで平和を確立していくことが大事であると表明しました。
笠井氏は、いま、野党共闘が熱い状況の中で参議院選挙を迎えようとしており、この選挙は「戦争か平和か、独裁か民主主義か」という日本の命運がかかっているとして、憲法9条を守り生かす政治への転換をめざし、一緒に素晴らしい結果を出せるように頑張りたいと強調しました。
大会に寄せられた合計71通の祝電メッセージのなかから、中日友好協会、社会民主党のメッセージが紹介されました。
「戦争法廃止、改憲阻止へ」大会議案の提起
田中義教(よし たか)理事長が、大会議案(本紙5月5日号に掲載)を、議案発表後の情勢と、この間寄せられた30件以上の質問、意見、要望も踏まえて提案。
改善の兆しが見える日中両国民の相互感情と民間交流、「戦争法」反対運動、南沙諸島をめぐる緊張や全人代などの中国の動き、沖縄の新基地問題などを取り上げながら、日中両国民の相互理解と友好を深め平和五原則にもとづく両国関係の発展に寄与し、アジアと世界の平和に貢献する方針を提起しました。
当面の活動の重点として、「不再戦平和運動」、「村瀬守保写真展」、「証言DVD上映普及活動」、「平和のための戦争展」、「中国人強制連行殉難者の慰霊・追悼行事」などを一層広げ、「沖縄の闘いとの連帯」、「中国百科検定」の取り組み強化、「帰国者支援活動」、「友好交流活動」や「文化活動」の前進などを基礎に活動を強めることを呼びかけました。
また、日中友好新聞の紙面充実、日中友好ブックレットの今秋の発行、協会本部のホームページの再構築とタイムリーな更新への改善なども示しました。
「三菱マテリアル」問題で特別報告
中国人強制連行・強制労働事件全国弁護団団長の森田太三弁護士が、中国人強制連行・強制労働事件の「三菱マテリアル」(旧三菱鉱業)が人権侵害とその歴史的責任を認め、被害者に謝罪し、その証として、被害者1人当たり10万元を今後設立される基金に拠出するとともに、同社の負担で旧事業場などに記念碑を建立し被害者遺族等による慰霊・碑追悼事業を行うということで和解が成立したことを報告。
森田氏は、日中、アジアの歴史認識を深めていくうえで、より良い運動になっていくと思う、この問題で日中友好協会が取り組んできた力に感謝すると述べました。
全国各地の多彩な発言
議案討議は、初日、2日目と合計37人(特別報告含む)が発言。
「中国百科検定」、「機関紙」、「支部活動」、「中国人強制連行」、「情勢」、「文化・友好交流活動」、「戦後70年の取り組み」、「組織」、「学習運動」、「不再戦・平和活動」、「支部ニュース」など多彩な内容で、それぞれの活動経験の紹介、運動発展のための取り組みや提案、意見が発言され、参加者に感銘を与えました(発言者とテーマは3面に掲載)。
矢崎光晴事務局長が2日間の討論のまとめを行い、情勢についての力強い発言、不再戦・平和の問題、中国人強制連行問題での和解、中国百科検定の意義など、それぞれ意味ある内容だった、日中友好協会の役割に確信をもって進めていきたいと表明しました(4面に要旨掲載)。
「東京・北京」大合唱でフィナーレ
採決では、①2015年度活動報告・2016年度活動方針、②2015年度決算報告・会計監査報告、③2016年度予算について全会一致の賛成で採択しました。
2016年度役員の選出が行われ、名誉会長に長尾光之氏を選出し、会長に大村新一郎氏を選出。新役員を代表して大村新会長があいさつを行いました。続いて、大会宣言、大会決議が採択されました。
表彰では、新支部の結成、優秀組織21組織・優秀個人の表彰と物故者47人の顕彰を行いました。 また、会場の設営や議事運営に奮闘した大会要員の紹介があり、会場から感謝の拍手が送られました(役員・宣言・決議・表彰は別項)。
また、熊本地震の支援募金について、全国各地の取り組みと、この大会会場で合わせて41万9562円が集まったと報告され、大村新会長から熊本支部の大会代議員として出席した加藤修支部長に手渡されました。
フィナーレは、恒例の「東京―北京」の大合唱が高らかに響き、大会の成功と活動の前進を参加者全員で確認しました。