日中友好新聞
平和を願う市民運動の一翼として
「安保法制」廃止めざそう
日本中国友好協会理事長 田中義教
「戦争法廃止」「憲法を守れ」「安倍政権退陣」のプラカードで意思表明する参加者
(5月3日の「5・3憲法集会」 撮影=中川大一氏)
7月の参議院選挙まであと1カ月余りとなりました。日本中国友好協会 第65回大会議案は、「改憲勢力が国会で多数を占める状況を阻止するために、とくに7月の参院選挙で改憲勢力を3分の2未満に減らすために幅広い層との連帯を広げましょう」と提案しています。
日本の前途を左右する
安倍内閣は政権発足以降、憲法違反の集団的自衛権行使容認を閣議決定し、昨年9月には多くの国民が反対するなか、「戦争法」といわれる安保法制を強引に成立させ、今年3月に施行を強行しました。さらに安倍首相は在任中の「明文改憲」に意欲を示し、参議院選挙で3分の2以上の議席を獲得して、憲法を改悪し、9条を葬り去ろうとしています。
日本は、かつて侵略と植民地支配によってアジア各国で多くの生命と人間の尊厳、財産を奪い、日本国民にも筆舌に尽くしがたい悲惨な被害をもたらしました。その反省に立った日本は、70年以上にわたって、誰も戦争で殺さない、殺させない、道を歩んできました。いまこの国の形が、安倍内閣の手によって大きく歪められようとしています。
加害の歴史繰り返すな
参議院選挙の結果、もし安倍内閣の狙い通りとなれば、改憲に向けて突き進むことになり、国防軍の創設、個人の権利が「公益及び公の秩序」を理由に大幅に制限されるなど、戦前の暗黒時代の再来となりかねません。
侵略戦争を正当化し、「中国脅威論」を振りまいて毎年のように軍備拡張を続け、武器の生産・輸出を進め、特定秘密保護法、「戦争法」などの悪法を次々と成立させてきた安倍内閣の下で、日本は再び戦争への階段を上がっています。若者が殺し殺される戦争に送られたあの時代を繰り返すことは絶対に許してはなりません。
政党を動かす市民の力
立憲主義、民主主義、平和主義をないがしろにし、「戦争する国」へと突き進む安倍内閣に対し、多くの学者、弁護士、青年、母親等市民が抗議に立ち上がりました。
私たち日本中国友好協会の運動もその一翼を担っています。2000万人「戦争法廃止を求める統一署名」は1200万人を超え、参議院選挙での今回の歴史的な野党共闘の広がりも、こうした市民の運動に後押しされて実現したものです。
こうした変化を作り出した私たちの運動に確信をもち、今回の参議院選挙を「立憲主義・民主主義・平和主義の擁護、集団的自衛権容認の閣議決定の取り消し、安保法制の廃止」のチャンスにしようではありませんか。
憲法9条壊すな
東京で「5・3憲法集会」
会場には「明日を決めるのは私たち―平和といのちと人権を!5・3憲法集会」のメーンタイトルが掲げられ、「解釈で憲法9条壊すな!実行委員会」の高田健さんが「改憲を行なおうとする自・公と補完勢力の3分の2議席を阻止し安倍内閣の退陣を」と開会宣言を行ない、会場を埋めつくした参加者から一斉に「そうだ!」の声が起こりました。
大学生、2人の大学教授、沖縄辺野古基金共同代表がスピーチし、むのたけじさん(101歳、ジャーナリスト)は従軍記者としての戦争体験を語り、「憲法9条こそ人類の希望」と呼びかけました。
立憲主義を取り戻し、戦争法廃止と安倍政権退陣を求めて共闘する民進党・岡田克也代表、日本共産党・志位和夫委員長、社民党・吉田忠智党首、生活の党・小沢一郎代表がそろって高く手を握り合い、団結と共闘の意志を表明しました。
戦争法廃止を求める2000万署名が1200万人を突破したことが報告されると参加者から大きな歓声があがり、署名を6月末まで続けることが呼びかけられました。リレートークに続き、参加者は2つのコースに分かれてパレードを行いました。
日本中国友好協会はこの集会を、不再戦平和の誓いを固め、戦争法廃止を求める幅広い市民との連帯を強める場として重視し、協会本部と東京都連の役員、東京、埼玉、千葉をはじめとした関東近県の支部役員・会員が多数参加するとともに、会場要員として集会の運営を支えました。
「5・3憲法集会」参加の協会役員と会員(撮影=中川大一氏)